貴金属市況:29日のNY市場において、金・銀は下落、パラジウムは上昇
金:1782.808ドル(-15.81)<-0.88%>
銀:23.85ドル(-0.25)<-1.04%>
プラチナ:1017.921ドル(-1.31)<-0.13%>
パラジウム:2002.305ドル(+13.56)<+0.68%>
米国時間29日のNY市場において、金・銀は下落、パラジウムは上昇しました。金価格は約1週間ぶりの安値を付けました。9月のアメリカの個人消費支出がインフレ高進を裏付け、2、3日開催のFOMCが注目されることとなり、米長期国債利回りの上昇、米ドルの硬調が引き起こされたことが原因となります。米国10年債利回りは1.619%まで上昇しました。
金価格は1785ドルを週の終値で割り込んできました。節目の1775ドルを割り、1760ドルも割り込んでくるようですと一段安となる可能性が出てきます。まだ金のETFに買いがあまり入っていないこともあり、上値は限定的で、下方面への圧力が強くなってくることも十分考えられます。
市場は今月2、3日開催のFOMCに注目しており、今後の利上げのタイミングが焦点となってくると予想されます。
現在のエネルギー価格を中心としたインフレは、供給サイドの問題からくるもので、需要はそれほど減退していませんので、金価格に反映されていないようです。
金は、長期的にはいずれインフレ懸念が本格化してくれば、それがより大きな上げ要因となってくると考えられますが、しばらくは利上げの動きが貴金属価格全般を圧迫する要因になると考えられます。利上げまでは米ドル高の基調は崩れないと思われますので、金を中心とする貴金属価格の上昇は利上げ後に米ドル高が落ち着いてからと考えます。
パラジウムも大きく値を落としていますので、歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、金・銀・パラジウムがもう少し値を戻してからにされた方がいいかと考えます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。