貴金属市況:5日のNY市場において、貴金属は全て上昇
金:1816.73ドル(+25.03)<+1.4%>
銀:24.17ドル(+0.4)<+1.68%>
プラチナ:1034.5ドル(+8.95)<+0.87%>
パラジウム:2034.571ドル(+34.61)<+1.73%>
米国時間5日のNY市場において、貴金属は全て上昇しました。米長期金利が低下したことにより金を中心として貴金属は買われる形となりました。金利を生まない金や貴金属にとっては押し上げ要因となりました。
10月の米雇用統計は非農業部門の就業者数が53万1000人の増となり、市場予想の45万人増を大幅に上回り、金価格の下げ要因になるかと思われましたが、直接的な影響はほぼ見られませんでした。
金価格は再度1785ドルを回復し、1800ドルを超えてきましたが、今後は昨年3月のような株式の暴落による現金化の売りの可能性が懸念されます。現在は米ドルの動向に左右されやすい地合いにありますが、まだETFに買いがあまり入っていないこともあり、上値は限定的で、下方面への圧力が強くなってくる可能性が高いと考えられます。いずれにせよ、今しばらくは方向性の定まらない動きが予想されます。
現在のエネルギー価格を中心としたインフレは、供給サイドの問題からくるもので、需要はそれほど減退していませんので、金価格に反映されていないようです。
ただ、金は、長期的なインフレ懸念が本格化してくれば、それがより大きな上げ要因となってくると考えられますが、しばらくは利上げの動きが貴金属価格全般を圧迫する要因になると考えられます。利上げまでは米ドル高の基調は崩れないと思われますので、金を中心とする貴金属価格の上昇は利上げ後に米ドル高が落ち着いてからと考えます。
パラジウムも大きく値を落としていますので、歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、金・銀・パラジウムがもう少し値を戻してからにされた方がいいかと考えます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。