貴金属市況:9日のNY市場において、金は上昇、銀・パラジウムは下落
金:1831.483(+7.22)<+0.4%>
銀:24.28(-0.16)<-0.65%>
プラチナ:1059.084(+3.11)<+0.29%>
パラジウム:2020.997(-49.56)<-2.39%>
米国時間9日のNY市場において、金は上昇、銀・パラジウムは下落しました。金価格は9月初旬以来の高値まで上昇しました。
9日は米ドル安となり、他通貨で金が割安となり買いやすい環境となりました。今後は本日10日発表予定の米消費者物価指数(CPI)を始め、米インフレ指標に注目が集まると思われます。
金価格は再度1785ドルを回復し、1800ドルを超えてきましたが、今後は昨年3月のような株式の暴落による現金化の売りの可能性が懸念されます。株式市場があまりにも楽観的すぎるのが気になります。
金価格は現在、米ドルの動向に左右されやすい地合いにありますが、まだETFに買いがあまり入っていないこともあり、上値は限定的で、下方面への圧力が強くなってくる可能性が高いと考えられます。いずれにせよ、今しばらくは方向性の定まらない動きが予想されます。ただ、このまま1830ドルを明確に超えてくれば、基調が完全に上向きになってくると考えます。
現在のエネルギー価格を中心としたインフレは、供給サイドの問題からくるもので、需要はそれほど減退していませんので、そこまで金価格に反映されていないようです。
ただ、金は、長期的なインフレ懸念が本格化してくれば、それがより大きな上げ要因となってくると考えられますが、しばらくは利上げの動きが貴金属価格全般を圧迫する要因になると考えられます。利上げまでは米ドル高の基調は崩れないと思われますので、金を中心とする貴金属価格の本格的な上昇は利上げ後に米ドル高が落ち着いてからと考えます。
パラジウムも大きく値を落としていますので、歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、金・銀・パラジウムがもう少し値を戻してからにされた方がいいかと考えます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。