貴金属市況:3日のNY市場において、金・パラジウムは上昇、銀は下落
金:1935.21ドル(+9.1)<+0.47%>
銀:25.16ドル(-0.09)<-0.35%>
プラチナ:1080.34ドル(+9.21)<+0.86%>
パラジウム:2775.61ドル(+107.05)<+4.01%>
米国時間3日のNY市場において、金・パラジウムは上昇、銀は下落しました。金・パラジウム価格はウクライナ情勢が影響し、引き続き高値を維持しています。これからは実質金利が市場に及ぼす影響を見ておくと、金相場が見えやすくなると思われます。
名目金利からインフレ率を差し引いた実質金利が現在は上昇する局面にあるので、今後はインフレ率の変動が金相場に大きな影響を与えると考えます。
現在、金ETF、特に世界最大の金上場投資信託であるSPDRゴールドトラストに買いが入り、その保有高は昨年8月中旬以来の高水準となっていますが、利上げ織り込みなどの条件が揃うまでは、地政学的な要因以外の本格的な上げ基調にはなりにくいと思われます。
FRBが今年5回の利上げをする可能性が目先の金価格の上値を抑えていますが、利上げまでには織り込まれる可能性が高いと考えます。また、インフレ高進による実質金利の低下も鍵となりそうです。実質金利の低下が貴金属価格の下支えとなる可能性は非常に大きいと考えます。また、米10年債利回りが高水準となっていますが、現在の金市場にはあまり影響が見られなくなってきています。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムは中国の自動車生産の回復やロシア・ウクライナ情勢などが原因となり急上昇していますので、良い時期と考えます。金は2月の上昇率で6.5%を示しました。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。