貴金属市況:7日のNY市場において、金は上昇、銀・パラジウムは下落
金:1998.11ドル(+29.66)<+1.51%>
銀:25.659ドル(-0.01)<-0.03%>
プラチナ:1123.002ドル(+1.7)<+0.15%>
パラジウム:2997.17ドル(-5.22)<-0.17%>
米国時間7日のNY市場において、金は上昇、銀・パラジウムは下落しました。金価格は一時2000ドルを超え、2002.31ドルまで上昇しました。前日に過去最高値を記録したパラジウムはやや下落し、3000ドルを割っています。パラジウムはロシアが世界の生産量の約40%を占めるため、より供給懸念が強まれば、これからも続伸していくと思われます。
金は、ウクライナ情勢の悪化が続けば、このまま2000ドルを突破し、上げていくことが予想されます。しばらくはウクライナ情勢とインフレ高進の二つの要因が金相場を引き上げていくと考えられます。地政学的理由で金がこれほど上げるのは久しぶりの展開です。
現在、金ETF、特に世界最大の金上場投資信託であるSPDRゴールドトラストに買いが入り、その保有高は昨年8月中旬以来の高水準となっていますが、利上げ織り込みなどの条件が揃うまでは、地政学的な要因以外の本格的な上げ基調にはなりにくいと思われます。
FRBが今年5回の利上げをする可能性が目先の金価格の上値を抑えていますが、利上げまでには織り込まれる可能性が高いと考えます。また、インフレ高進による実質金利の低下も鍵となりそうです。実質金利の低下が貴金属価格の下支えとなる可能性は非常に大きいと考えます。また、米10年債利回りが高水準となっていますが、現在の金市場にはあまり影響が見られなくなってきています。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムは中国の自動車生産の回復やロシア・ウクライナ情勢などが原因となり急上昇していますので、良い時期と考えます。金は2月の上昇率で6.5%を示しました。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。