貴金属市況:10日のNY市場において、金・銀は上昇、パラジウムは下落
金:1995.859ドル(+4.37)<+0.22%>
銀:25.882ドル(+0.15)<+0.58%>
プラチナ:1068.352ドル(-7.65)<-0.71%>
パラジウム:2927.993ドル(-9.23)<-0.31%>
米国時間10日のNY市場において、金・銀は上昇、パラジウムは下落しました。金相場は2000ドルをやや下回っての横ばい状態となっています。2月の米消費者物価指数(CPI)の前年同月比での伸び率は市場予想どおりでしたが、1982年1月以来の大きさの伸びとなりました。インフレ高進を意識した金買いが入ってきたと考えられます。
16日のFOMC後はインフレへの警戒を反映し、金価格が伸びると考えます。今回のインフレは供給側のボトルネックが原因となるためかなりしつこくなるものと思われます。
現在、金ETF、特に世界最大の金上場投資信託であるSPDRゴールドトラストに買いが入り、その保有高は昨年8月中旬以来の高水準となっていますが、利上げ織り込みなどの条件が揃うまでは、地政学的な要因以外の本格的な上げ基調にはなりにくいと思われます。
FRBが今年5回の利上げをする可能性が目先の金価格の上値を抑えていますが、利上げまでには織り込まれる可能性が高いと考えます。また、インフレ高進による実質金利の低下も鍵となりそうです。実質金利の低下が貴金属価格の下支えとなる可能性は非常に大きいと考えます。また、米10年債利回りが高水準となっていますが、現在の金市場にはあまり影響が見られなくなってきています。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、ウクライナ情勢に加え円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムは中国の自動車生産の回復も加わり、急上昇していますので、良い時期と考えます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。