金：1949.84ドル（－28.66）＜－1.45％＞
銀：25.155ドル（－0.68）＜－2.64％＞
プラチナ：990.905ドル（－19.43）＜－1.92％＞
パラジウム：2371.93ドル（－66.65）＜－2.73％＞

米国時間19日のNY市場において、貴金属は全て下落しました。米ドル高や金利の上昇により安全資産としての金への関心は薄れました。米ドル指数が2年超ぶりの高値を付け、金価格は米ドル以外の通貨で割高となりました。FRBによる金融引き締め観測が広がり、米国債利回りの上昇が米ドル相場を押し上げています。
金価格は急落し、2000ドルを超えることができませんでした。今後も米ドル高が足かせとなり、金価格が上昇しづらくなると考えられます。1950ドル付近のサポートを超えて明確に下がっていくようですと、より一段の下げがあると思われます。
世界中の中央銀行がインフレ高進の抑制政策を行う中、ECBは14日の定例理事会で、量的緩和策を年内に終了する方針を変えませんでした。他の中央銀行に比べインフレへの対応に危機感が乏しいと受け止められています。
今回の世界的なインフレは供給や輸送の問題が多いため、ウクライナでの戦闘によるロシアへの制裁も合わさり、そう簡単には沈静化しそうにないと思われます。世界中で物価が値上がりしていますので、これにさらなる紛争、災害リスクが加わってくるとより激しくなることが予想されます。
また、過去のアメリカFRBによる利上げ後の金価格を見てみると、実際に利上げが行われた後には上昇を示していますので、今回のように供給サイドの問題によるインフレが加わると長期的な上昇を続けると予想されます。
現在、金ETF、特に世界最大の金上場投資信託であるSPDRゴールドトラストに買いが入り、その保有高は1070.53トンと2021年3月以来の高水準となっていますので、徐々に投資家の資金が金市場に流れ始めています。1950ドル付近のゾーンを明確に超え、上昇を見せてくるようですと、一層の買いが入ってくることが予想されます。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、ウクライナ情勢に加え円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムは中国の自動車生産の回復も加わり、急上昇していますので、良い時期と考えます。