貴金属市況:21日のNY市場において、貴金属は全て下落
金:1951.495ドル(-5.91)<-0.3%>
銀:24.635ドル(-0.54)<-2.15%>
プラチナ:967.98ドル(-19.09)<-1.93%>
パラジウム:2421.89ドル(-30.04)<-1.23%>
米国時間21日のNY市場において、貴金属は全て下落しました。金価格は、米国債利回り上昇を受けて一時は1%以上下げ、2週間ぶりの安値となりました。マーケット関係者はFRBが積極的な金融引き締めを行うことを予想しているようです。
これからしばらくは米ドル高と米国債金上昇がマーケットに織り込まれるまでは本格的な上昇には転じないと考えられます。ただ、1950ドル付近のレジスタンスを明確に割り、大きく下落しないようであれば上昇基調は保たれていると考えます。
今回の世界的なインフレは供給や輸送の問題が多いため、ウクライナでの戦闘によるロシアへの制裁も合わさり、そう簡単には沈静化しそうにないと思われます。世界中で物価が値上がりしていますので、これにさらなる紛争、災害リスクが加わってくるとより激しくなることが予想されます。
また、過去のアメリカFRBによる利上げ後の金価格を見てみると、実際に利上げが行われた後には上昇を示していますので、今回のように供給サイドの問題によるインフレが加わると長期的な上昇を続けると予想されます。
現在、金ETF、特に世界最大の金上場投資信託であるSPDRゴールドトラストに買いが入り、その保有高は1070.53トンと2021年3月以来の高水準となっていますので、徐々に投資家の資金が金市場に流れ始めています。1950ドル付近のゾーンを明確に超え、上昇を見せてくるようですと、一層の買いが入ってくることが予想されます。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、ウクライナ情勢に加え円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムは中国の自動車生産の回復も加わり、急上昇していますので、良い時期と考えます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。