貴金属市況:25日のNY市場において、貴金属は全て下落
金:1897.693ドル(-32.04)<-1.66%>
銀:23.605ドル(-0.53)<-2.22%>
プラチナ:920.794ドル(-9.71)<-1.04%>
パラジウム:2144.305ドル(-230.55)<-9.71%>
米国時間25日のNY市場において、貴金属は全て下落しました。金相場は引き続き弱含みで1900ドルを割って終値を付けました。基本的には、現在の世界的なインフレ高進やウクライナ情勢の不透明感が金価格を支える材料となりますが、直近の金利上昇懸念により利子を生まない金の魅力は減退しています。米ドル指数も2年ぶりの高値をつけていますので、しばらくは軟調相場が続く可能性が出てきました。
パラジウムも一時13%近く急落し、上海など中国の大都市での新型コロナウイルス対策のロックダウンで、自動車の排ガス触媒に使われるパラジウムの需要が減退しているようです。
ただ、長期的には今回の世界的なインフレは供給や輸送の問題が多いため、ウクライナでの戦闘によるロシアへの制裁も合わさり、そう簡単には沈静化しそうにないと思われます。世界中で物価が値上がりしていますので、これにさらなる紛争、災害リスクが加わってくるとより激しくなることが予想されます。
また、過去のアメリカFRBによる利上げ後の金価格を見てみると、実際に利上げが行われた後には上昇を示していますので、今回のように供給サイドの問題によるインフレが加わると長期的な上昇を続けると予想されます。
現在、金ETF、特に世界最大の金上場投資信託であるSPDRゴールドトラストに買いが入り、その保有高は1070.53トンと2021年3月以来の高水準となっていますので、徐々に投資家の資金が金市場に流れ始めています。1950ドル付近のゾーンを明確に超え、上昇を見せてくるようですと、一層の買いが入ってくることが予想されます。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、ウクライナ情勢に加え円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムは中国の自動車生産の回復も加わり、急上昇していますので、良い時期と考えます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。