貴金属市況:11日のNY市場において、金・銀は上昇・パラジウムは下落
金:1852.12ドル(+13.98)<+0.76%>
銀:21.556ドル(+0.31)<+1.48%>
プラチナ:992.3ドル(+28.33)<+2.94%>
パラジウム:2035.175ドル(-30.53)<-1.48%>
米国時間11日のNY市場において、金・銀は上昇・パラジウムは下落しました。金相場は4月の米消費者物価指数を受けて、米ドルがユーロに対して急伸したことで売りが膨らみましたが、その後、米ドルがユーロに対して軟化していくと盛り返す形となりました。
金相場は不安定ですが、今後は米ドルの動きが金価格の鍵となってくると考えられます。金利上昇と米ドル高はセットになっていますので、金が本格的な上昇に転じるには、米ドル高を織り込んだインフレ高進が条件となると考えます。
長期的には今回の世界的なインフレは供給や輸送の問題が多いため、ウクライナでの戦闘によるロシアへの制裁も合わさり、そう簡単には沈静化しそうにないと思われます。世界中で物価が値上がりしていますので、これにさらなる紛争、災害リスクが加わってくるとより激しくなることが予想されます。
また、過去のアメリカFRBによる利上げ後の金価格を見てみると、実際に利上げが行われた後には上昇を示していますので、今回のように供給サイドの問題によるインフレが加わると長期的な上昇を続けると予想されます。
現在、金ETF、特に世界最大の金上場投資信託であるSPDRゴールドトラストに買いが入り、その保有高は1070.53トンと2021年3月以来の高水準となっていますので、徐々に投資家の資金が金市場に流れ始めています。1950ドル付近のゾーンを明確に超え、上昇を見せてくるようですと、一層の買いが入ってくることが予想されます。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、ウクライナ情勢に加え円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムは中国の自動車生産の回復も加わり、再度上昇していますので、良い時期と考えます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。