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貴金属市況:22日のNY市場において、金は上昇、銀・パラジウムは下落

                               
2022.06.23  貴金属市況

金:1837.386ドル(+4.83)<+0.26%>
銀:21.392ドル(-0.27)<-1.26%>
プラチナ:926.339ドル(-11.47)<-1.22%>
パラジウム:1863.766ドル(-13.93)<-0.74%>

 

米国時間22日のNY市場において、金は上昇、銀・パラジウムは下落しました。
金相場は、FRBによる大幅利上げへの警戒感が根強い中にもかかわらず下値は支えられました。米長期金利が低下し、対ユーロで米ドルが下落したことで、米ドル建てである金の割安感から安値拾いの買い注文が入ったと考えられます。
金相場は引き続き上値が重くレンジ相場が続いていますが、やはり今後の展開としては米ドル高と金利が市場関係者に織り込まれない事には本格的には上がらないと考えます。ただ、米国の実質金利は現在まだマイナス圏ですので、これがより意識されてくると状況は変化する可能性があります。これだけのFRBによる利上げと米ドル高の中でもまだ1800ドル以上の水準を保っているのは、やはり株価の下落が心配されている可能性が大きいのかもしれません。
これからの中長期的な展開としては、FRBによる引き締め政策がどれだけ織り込まれていくかが鍵となると考えます。長期的には今回の世界的なインフレは供給や輸送の問題が多いため、ウクライナでの戦闘によるロシアへの制裁も合わさり、そう簡単には沈静化しそうにないと思われます。世界中で物価が値上がりしていますので、これにさらなる紛争、災害リスク等が加わってくるとより激しくなることが予想されます。インフレによる実質金利の低下が金相場の本格的な上昇を後押しすると考えます。インフレ、物価上昇に関しては、アメリカでの食品工場での不審な火災が数多く起こっていることなど不確定な要素も考慮しなければいけなくなってきています。
また、過去のアメリカFRBによる利上げ後の金価格を見てみると、実際に利上げが行われた後には上昇を示していますので、今回のように供給サイドの問題によるインフレが加わると長期的には上昇を続けると予想されます。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、ウクライナ情勢に加え円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムは中国の自動車生産の回復も加わり、再度上昇していますので、良い時期と考えます。

 
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。