貴金属市況:30日のNY市場において、貴金属は全て下落
金:1806.887ドル(-10.22)<-0.56%>
銀:20.247ドル(-0.46)<-2.23%>
プラチナ:893.854ドル(-22.93)<-2.5%>
パラジウム:1937.182ドル(-25)<-1.27%>
米国時間30日のNY市場において、貴金属は全て下落しました。
金相場は、各国中銀が金融政策についてタカ派的(引き締め)な姿勢を示したことで、利子の付かない金の投資への関心が損なわれることとなり、売られました。米ドル指数は最近付けた20年ぶりの高値付近を推移し、米ドル以外の通貨保有者にとって金は割高となっています。
金相場は上値が重く、このまま1800ドルを割り込んでくるようですと、一度急落する可能性が大きいと考えます。強いサポートラインである1680ドルあたりまで下げてくる可能性も否めません。
これからの中長期的な展開としては、FRBによる引き締め政策がどれだけ織り込まれていくかが鍵となると考えます。長期的には今回の世界的なインフレは供給や輸送の問題が多いため、ウクライナでの戦闘によるロシアへの制裁も合わさり、そう簡単には沈静化しそうにないと思われます。世界中で物価が値上がりしていますので、これにさらなる紛争、災害リスク等が加わってくるとより激しくなることが予想されます。インフレによる実質金利の低下が金相場の本格的な上昇を後押しすると考えます。インフレ、物価上昇に関しては、アメリカでの食品工場での不審な火災が数多く起こっていることなど不確定な要素も考慮しなければいけなくなってきています。
また、過去のアメリカFRBによる利上げ後の金価格を見てみると、実際に利上げが行われた後には上昇を示していますので、今回のように供給サイドの問題によるインフレが加わると長期的には上昇を続けると予想されます。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、ウクライナ情勢に加え円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムは中国の自動車生産の回復も加わり、再度上昇していますので、良い時期と考えます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。