貴金属市況:12日のNY市場において、貴金属は全て下落
金:1725.806ドル(-7.87)<-0.45%>
銀:18.893ドル(-0.19)<-1%>
プラチナ:845.857ドル(-23.65)<-2.72%>
パラジウム:2026.318ドル(-135.69)<-6.28%>
米国時間12日のNY市場において、貴金属は全て下落しました。
金相場は続落し、約9か月ぶりの安値となりました。原因は変わらず米ドル高とFRBによる利上げ予測で、これらが織り込まれていかないと上げにはつながらないと考えられます。米ドルへの資金の流入が大規模であるのとインフレ対策としての金利上昇が金相場を圧迫していく状況は、おそらくインフレのより強い高進により終わるのではないかと考えます。
急激なインフレ高進は実質金利を引き下げますので、名目金利が上がろうとも金に影響を与えるのは実質金利となり、米ドルよりも相対的な付加価値を持ってくるのではないかと予測されます。
これからの中長期的な展開としては、FRBによる引き締め政策がどれだけ織り込まれていくかが鍵となると考えます。長期的には今回の世界的なインフレは供給や輸送の問題が多いため、ウクライナでの戦闘によるロシアへの制裁も合わさり、そう簡単には沈静化しそうにないと思われます。世界中で物価が値上がりしていますので、これにさらなる紛争、災害リスク等が加わってくるとより激しくなることが予想されます。インフレによる実質金利の低下が金相場の本格的な上昇を後押しすると考えます。インフレ、物価上昇に関しては、アメリカでの食品工場での不審な火災が数多く起こっていることなど不確定な要素も考慮しなければいけなくなってきています。
また、過去のアメリカFRBによる利上げ後の金価格を見てみると、実際に利上げが行われた後には上昇を示していますので、今回のように供給サイドの問題によるインフレが加わると長期的には上昇を続けると予想されます。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、ウクライナ情勢に加え円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムは中国の自動車生産の回復も加わり、再度上昇していますので、良い時期と考えます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。