貴金属市況:16日のNY市場において、金・銀は下落、パラジウムは上昇
金:1775.542ドル(-3.37)<-0.19%>
銀:20.118ドル(-0.14)<-0.68%>
プラチナ:934.76ドル(+1.63)<+0.17%>
パラジウム:2153.569ドル(+7.73)<+0.36%>
米国時間16日のNY市場において、金・銀は下落、パラジウムは上昇しました。
金相場は小幅安となりました。米ドルが高値で推移していることや投資家がFOMCが17日に発表する議事要旨を待っていることで金価格は軟調な状態となっています。
複数のFRB高官は、根強いインフレを抑えるために利上げを継続する必要があると強調していますので、金利の付かない金にとっては向かい風となる環境がもう少し続く可能性があります。ただ、インフレ率を考慮した実質金利が下がり、それが市場に認識され始めれば金への買いが入ってくると考えます。
今回は節目の1800ドルを明確に超えていけなかったこともあり、再度上値を試す動きとなるかこのまま金価格を圧迫していくかはまだ明確な材料が無い状態です。
これからの中長期的な展開としては、FRBによる引き締め政策がどれだけ織り込まれていくかが鍵となると考えます。長期的には今回の世界的なインフレは供給や輸送の問題が多いため、ウクライナでの戦闘によるロシアへの制裁も合わさり、そう簡単には沈静化しそうにないと思われます。世界中で物価が値上がりしていますので、これにさらなる紛争、災害リスク等が加わってくるとより激しくなることが予想されます。インフレによる実質金利の低下が金相場の本格的な上昇を後押しすると考えます。インフレ、物価上昇に関しては、アメリカでの食品工場での不審な火災が数多く起こっていることなど不確定な要素も考慮しなければいけなくなってきています。
また、過去のアメリカFRBによる利上げ後の金価格を見てみると、実際に利上げが行われた後には上昇を示していますので、今回のように供給サイドの問題によるインフレが加わると長期的には上昇を続けると予想されます。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、ウクライナ情勢に加え円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムは中国の自動車生産の回復も加わり、再度上昇していますので、良い時期と考えます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。