貴金属市況:15日のNY市場において、貴金属は全て下落
金:1663.741ドル(-32.05)<-1.89%>
銀:19.16ドル(-0.53)<-2.69%>
プラチナ:904.499ドル(-1.29)<-0.14%>
パラジウム:2135.74ドル(-28.03)<-1.3%>
米国時間15日のNY市場において、貴金属は全て下落しました。
金相場は、2020年4月以来、約2年ぶりの安値水準に落ち込むほどの下げ方を見せました。
今回の下落もFRBの大幅な利上げが続くとの観測を背景に、米国債利回りの上昇と米ドル高が金相場を圧迫する形となりました。
金価格は1680ドルの重要サポートラインを超えて割り込んできましたので、このあたりで下げ止まるか、それとももう一段の下げとなるかを見極めなければならない局面となっています。下げ止まりのきっかけが何になるかは判りませんが、まずはFOMC待ちといったところです。
これからの中長期的な展開としては、FRBによる引き締め政策がどれだけ織り込まれていくかが鍵となると考えます。長期的には今回の世界的なインフレは供給や輸送の問題が多いため、ウクライナでの戦闘によるロシアへの制裁も合わさり、そう簡単には沈静化しそうにないと思われます。世界中で物価が値上がりしていますので、これにさらなる紛争、災害リスク等が加わってくるとより激しくなることが予想されます。インフレによる実質金利の低下が金相場の本格的な上昇を後押しすると考えます。インフレ、物価上昇に関しては、アメリカでの食品工場での不審な火災が数多く起こっていることなど不確定な要素も考慮しなければいけなくなってきています。
また、過去のアメリカFRBによる利上げ後の金価格を見てみると、実際に利上げが行われた後には上昇を示していますので、今回のように供給サイドの問題によるインフレが加わると長期的には上昇を続けると予想されます。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、ウクライナ情勢に加え円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムはロシア産が多いことから再度上昇していますので、良い時期と考えます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。