貴金属市況:14日のNY市場において、金は上昇、銀・パラジウムは下落
金:1854.29ドル(+0.9)<+0.05%>
銀:21.84ドル(-0.13)<-0.59%>
プラチナ:930.595ドル(-22.91)<-2.4%>
パラジウム:1497.367ドル(-68.79)<-4.39%>
米国時間14日のNY市場において、金は上昇、銀・パラジウムは下落しました。
金相場は米ドル安を受けて上昇しましたが、小幅高に留まりました。FRB当局者が利上げに積極的なタカ派姿勢を保ったことが金価格への圧迫要因となったと考えられます。
現在の金相場は十分に売られすぎと思われますので、今後は反発の可能性が大きいと考えます。
また、地政学的リスクが広がりを見せてきましたので、そちらの要因による上昇の可能性も非常に大きいと考えます。特にロシア、ウクライナ間の争い以上にイランとイスラエル間の緊張の高まりが金価格には影響するのではないかと思われます。先日のイランのドローン工場に対する爆破事件は、イラン側はイスラエルの攻撃と断定したようです。
これからの中長期的な展開としては、FRBによる引き締め政策がどれだけ織り込まれていくかが鍵となると考えます。長期的には今回の世界的なインフレは供給や輸送の問題が多いため、ウクライナでの戦闘によるロシアへの制裁も合わさり、そう簡単には沈静化しそうにないと思われます。世界中で物価が値上がりしていますので、これにさらなる紛争、災害リスク等が加わってくるとより激しくなることが予想されます。インフレによる実質金利の低下が金相場の本格的な上昇を後押しすると考えます。インフレ、物価上昇に関しては、アメリカでの食品工場での不審な火災が数多く起こっていることなど不確定な要素も考慮しなければいけなくなってきています。
また、過去のアメリカFRBによる利上げ後の金価格を見てみると、実際に利上げが行われた後には上昇を示していますので、今回のように供給サイドの問題によるインフレが加わると長期的には上昇を続けると予想されます。
ただ今後、新たな新型コロナウイルスの情報などにより、2020年3月のようなコロナショックでの株式の暴落のようになってくるようですと、すべての資産に現金化の売りの可能性が懸念され、市場はより混乱すると思われます。
歯科金属・歯科スクラップ等を売却されるのは、ウクライナ情勢に加え円安も手伝って金・パラジウムが値を戻し、特にパラジウムはロシア産が多いことから再度上昇していますので、良い時期と考えます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。