貴金属市況:3日のNY市場において、貴金属は全て下落
金:3115.47ドル(-10.83)<-0.35%>
銀:31.98ドル(-1.19)<-3.72%>
プラチナ:962.85ドル(-9.63)<-1.00%>
パラジウム:938.11ドル(-20.41)<-2.17%>
米国時間3日のNY市場において、貴金属は全て下落しました。トランプ政権による関税レート発表直後、株価が急落し、為替市場ではドル売り・円買いが進む一方、安全資産とみなされるゴールドと米国債が急騰し、長期金利は急低下する典型的なリスク回避の動きとなりました。ゴールドは史上最高値となる3167.57ドルまで上昇したものの、「Bullion(地金)」が関税対象外とホワイトハウスの資料に明記されていたことが市場に伝わると、一転して3053ドルまで100ドル以上の急落を見せました。
しかし、その後は再びゴールドへの買いが殺到し、3135ドル付近まで戻してから最終的には3112ドル前後で推移しています。特筆すべきはゴールドのみが大幅に買い戻された点です。銀・プラチナ・パラジウムといった他の貴金属には戻りが見られず、金銀比価は97まで上昇しました。ゴールドだけが大量に買われた背景には、中央銀行による買いの可能性も指摘されています。
一方、円建ての金価格は急速な円高によって大きく下落しました。関税発表前は1万5,130円ほどだったのが、一時1万4,306円まで下落。そこから300円ほど戻して現在は1万4,626円前後で推移しており、久々に大きな押し目といえる動きになっています。市場では安全資産としてのゴールド買い意欲が根強い一方、為替動向など外部要因による変動も大きく、引き続き注意深い観察が必要となりそうです。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。