貴金属市況:10日のNY市場において、金・銀・プラチナは上昇、パラジウムは小幅安
金:3188.94ドル(+70.94)<+2.28%>
銀:31.24ドル(+1.03)<+3.41%>
プラチナ:940.75ドル(+4.75)<+0.51%>
パラジウム:924.45ドル(-0.55)<-0.06%>
米国時間の昨日のNY市場において、金は大幅続伸し、銀とプラチナも値を上げました。一方、パラジウムはわずかに下落しています。背景には、前日までの相互関税延期に伴う市場の混乱が続く中、中国への関税総額が145%に達する見通しが示され、米中間の緊張が高まったことで米国株が大きく売り込まれたことがあります。米国債も再び売られ、長期金利は4.42%へ上昇しましたが、その一方で金市場には安全資産としての買いが入り、金は歴史的高値を更新する展開となりました。
今回の株式市場急落では、前回のように証拠金調達を目的とした金売りが起きるどころか、株価の下落時に逆に金が買われる構図に転じています。先日からのわずか3日間で、金は2955ドルから3190ドル付近まで一気に上昇しており、ゴールドの強い上昇モメンタムが改めて示される格好となりました。
アジア時間帯に3,000ドルを割り込んだ金が積極的に買い支えられ、再び3,000ドル超えでNY市場を迎える流れがこの数日間繰り返されているのも見逃せません。中国をはじめとしたアジア勢がゴールドに強気で臨んでいることがうかがえます。また、欧米勢も株価下落と米中貿易戦争への懸念から金買いに動いている模様です。こうした流れが歴史的高値更新を後押ししており、この上昇がどこまで続くか注目されます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。