貴金属市況:15日のNY市場において、金とプラチナ系が上昇、銀が下落
金:3243.38ドル(+116.78)<+3.73%>
銀:32.69ドル(-0.83)<-2.48%>
プラチナ:998.97ドル(+23.97)<+2.46%>
パラジウム:970.19ドル(+23.19)<+2.45%>
米国時間15日のNY市場において、金、プラチナ、パラジウムが大幅上昇を記録する一方、銀は対照的に下落する分化した相場展開となりました。特に金相場は116ドル超の急騰を見せ、市場関係者の注目を集めています。
金価格は前日に重要な心理的節目である3200ドルを割り込んだ反動から、大幅な反発を見せました。テクニカル分析の観点からは、3120ドル付近までの下落が「売られ過ぎ」の水準に達し、そこからの反発が加速した形となっています。市場参加者の間では、このレベルが短期的な底値を形成したとの見方が広がっています。
この急反発の背景には、複数の市場要因が絡み合っています。一つは、前日の下落時に形成された空売りポジションの買い戻し(ショートカバー)の動きがあります。3200ドルのサポートラインを突破したことで積極的に仕掛けられた短期的な売りポジションが、利益確定や損切りのために買い戻される展開となりました。
為替市場との関連も見逃せません。東京時間の円建て金価格は一時14650円まで下落しましたが、その後大きく反発し、500円以上の上昇を見せ、15200円前後まで回復しました。これは金価格自体の上昇と為替要因が複合的に作用した結果です。
プラチナおよびパラジウムも金と連動する形で2%を超える上昇となりました。特にパラジウムは2日連続の上昇となり、産業用金属としての需要見通しに改善の兆しが見えています。
一方、銀は金とは対照的な値動きを示し、2.5%近い下落となりました。金と銀の価格比率(ゴールド/シルバーレシオ)は一時的に拡大しており、両者の価格動向の乖離が顕著になっています。
今回の相場展開は、貴金属市場における価格変動の振幅拡大を示唆しています。継続するボラティリティの高い環境下では、テクニカルレベルの重要性が増しており、市場参加者は3200ドルを中心とした値動きに引き続き注目しています。
経済指標や中央銀行の金融政策動向、地政学的リスクなど複数の要因が交錯する中、当面は値動きの激しい展開が継続すると予想されます。特に金相場については、次の節目となる3300ドルレベルへの到達可能性と、そこでの市場反応が短期的な焦点となるでしょう。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。