貴金属市況:4日のNY市場において、プラチナが大幅上昇、金は小幅高
金:3376.40ドル(+20.40)<+0.61%>
銀:34.52ドル(+0.07)<+0.20%>
プラチナ:1100.44ドル(+19.44)<+1.80%>
パラジウム:1004.66ドル(+3.66)<+0.37%>
米国時間4日のNY市場において、貴金属相場はプラチナが大幅上昇を見せる一方、金は小幅高となる展開でした。
関税政策に関する進展がない中、米国では雇用関連データの発表が相次いでいます。前日のJOLTS(求人件数統計)では、求人件数が市場予想の710万件を上回る739.1万件となり、経済の堅調さを示す結果となりました。この発表により一時的に米ドルが買い戻されましたが、当日発表されたADP雇用統計では全く異なる結果となりました。
ADP雇用統計では、市場予想の11万人増に対して実際の発表数値は3.7万人増と大幅に予想を下回り、経済の不確実性が再び注目されました。この結果を受けて米ドル売り、金買い、米国債券買いといった安全資産への資金流入が見られました。一方、株式市場はほとんど売られず、ナスダック指数は逆に上昇する展開となりました。
為替市場では米ドル・円相場の変動が特に顕著で、一昨日の142円台から144円台への上昇に続き、前日は144円台から142円台まで下落しました。現在、米ドル・円相場は方向感に欠ける展開が続いており、短期的にはトランプ政権の関税政策の動向によって高いボラティリティが継続する見込みです。
翌日発表予定の米国雇用統計(非農業部門雇用者数)への注目が高まっています。市場予想は13万人増となっていますが、ADP雇用統計の予想外の落ち込みを受けて、サプライズ的な結果が出る可能性もあります。
プラチナ相場では、リース金利(貸出金利)が高水準を維持しており、900-1000ドルの取引レンジを上抜けして1100ドルへの挑戦が続いています。従来のような一時的な上昇から再び900-1000ドルレンジに戻るパターンとは異なる動きを見せており、持続的な上昇トレンドに入った可能性があります。
金相場は3350ドル台を維持し、0.61%の小幅上昇となりました。関税政策を巡る不確実性と雇用データの混合的な結果により、安全資産としての需要が継続しています。
銀相場はほぼ横ばいで推移し、わずか0.20%の上昇にとどまりました。前日に7ヶ月ぶりの高値を記録した後の調整局面となっています。
今後の焦点は翌日の米国雇用統計の結果と、これが連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に与える影響です。また、米中貿易交渉の進展についても市場の注目が集まっています。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。