貴金属市況:5日のNY市場において、銀が13年ぶり高値、プラチナも大幅上昇
金:3363.57ドル(-3.43)<-0.10%>
銀:35.74ドル(+1.25)<+3.62%>
プラチナ:1142.75ドル(+49.75)<+4.56%>
パラジウム:1014.00ドル(+16.80)<+1.68%>
米国時間5日のNY市場において、貴金属相場は銀とプラチナが大幅上昇を見せる展開となりました。特に銀は13年ぶりの高値を更新し、注目を集めました。
金相場は午後から大きく上昇し、3400ドルに達しましたが、その後3338ドルまで下落し、最終的に3359ドル近辺で取引を終えました。高いボラティリティが継続している状況です。円建て金価格も15655円まで上昇した後、15442円まで下落し、最終的に15500円近辺で推移しました。
この日の主役は銀相場でした。銀価格は急騰し、36ドルを超えました。これは2012年以来13年ぶりの高値水準となります。この上昇の直接的な要因は特定されていませんが、市場では長期間にわたって銀が金に対して割安な状態が続いていたことが指摘されています。金銀価格比率が100対1を超える水準で推移していたことで、銀の相対的な割安感が強まっていました。
また、もう一つの割安とされていたプラチナが長年の900-1000ドルの取引レンジを上抜けて大幅上昇したことが、銀への買いの呼び水となった可能性があります。ロンドン市場の午前中(日本時間18時頃)に大口の買いが入ったとみられます。金銀価格比率は94対1まで下落しましたが、歴史的な基準からは依然として銀は割安水準にあるとの見方もあります。
プラチナ相場は1100ドルを突破し、2022年3月以来の高値を記録しました。過去には1100ドル近辺まで上昇しても、その後1000ドル割れまで戻すパターンが3回ほど見られましたが、今回は異なる展開を見せる可能性があります。プラチナの貸出金利が1ヶ月物で13%を超える水準にあり、需給逼迫が価格上昇を下支えしています。
パラジウムも1014.00ドルまで上昇し、1.68%の上昇となりました。
市場では、銀とプラチナが金に対して長期間割安な状態にあったとの認識が強く、今回の両金属の上昇は、その価格差の修正過程とみなすことができます。金価格が高水準を維持する中、投資家の関心が他の貴金属にも広がっている状況が窺えます。
技術的には、銀価格は36.06ドルまで上昇し、4.5%の大幅上昇を記録しました。銀を裏付けとする上場投資信託(ETF)への資金流入も確認されており、水曜日には220万オンスの純流入がありました。
今後の焦点は、銀とプラチナの上昇が持続的なものとなるか、一時的な調整に留まるかにあります。両金属の需給状況と金価格との相対関係が引き続き注目されるでしょう。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。