貴金属市況:11日のNY市場、プラチナ高騰続く中で金もじわじわ上昇
金:3365.94ドル(+27.94)<+0.84%>
銀:36.34ドル(-0.10)<-0.27%>
プラチナ:1273.54ドル(+14.24)<+1.13%>
パラジウム:1078.82ドル(-5.41)<-0.50%>
米国時間11日のニューヨーク市場では、プラチナの高騰が続く一方、金も着実に上昇を続けています。金はプラチナや銀の影に隠れがちですが、今朝の高値は3373ドルまで上昇し、3400ドルに迫る勢いを見せています。
銀相場は36ドル台で一服感があり、前日比で小幅に下落しました。今週初めにかけて急騰した反動で、利益確定の動きが広がったとみられます。米中貿易交渉の進展や工業需要の増加期待が引き続き下支えとなっていますが、テクニカル的には過熱感もあり、短期的な調整局面に入った可能性があります。
プラチナは引き続き強い上昇基調を維持しています。1か月から3か月物のリース金利(貸出金利)は20%を超え、1年物も10%を上回るなど、現物の供給不足が深刻化しています。欧州のロンドン・チューリッヒ市場では現物の引き出しが急増し、地上在庫の減少と中国の需要増加が相まって、需給の逼迫が顕著になっています。世界プラチナ投資協議会(WPIC)は2025年に約100万オンスの供給不足を予測しており、今後も高値圏での推移が続く見通しです。
金については、UBSなどの大手金融機関が「一時的な調整は今後の上昇のための健全な動き」と評価しており、公式部門(中央銀行)やETFへの資金流入、現物投資需要の堅調さが引き続き価格を下支えしています。米国の関税政策や経済指標、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を巡る不透明感が高まる中、分散投資先としての金の魅力は依然として強い状況です。
全体として、貴金属市場はプラチナの供給不足と高騰、銀の一服、金の着実な上昇という三者三様の動きが見られます。今後も各金属の需給動向や国際情勢、金融政策の変化に注目が集まる展開が続くでしょう。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。