貴金属市況:19日ロンドン市場において、金相場は小幅上昇、プラチナは利食い売りで調整
金:3365.30ドル(+7.70)<+0.23%>
銀:36.44ドル(-0.11)<-0.30%>
プラチナ:1312.34ドル(-9.42)<-0.71%>
パラジウム:1053.41ドル(+5.66)<+0.54%>
19日は米国がジューンティーンス(奴隷解放記念日)の祝日で市場が休場となったため、欧州時間での貴金属取引が中心となりました。
イスラエル・イラン情勢は引き続き緊迫状態にありますが、現在のところ市場では既に織り込み済みとして捉えられているようです。米国の直接的な軍事介入のような新たな進展がない限り、当面は価格の上昇後における短期投資家による利益確定売りの局面が続くと考えられます。
金相場は現在3360ドル台で推移しています。3300ドル近辺まで下落した場合、押し目買いの投資家が待機している状況が確認されます。
銀相場は36ドル台まで反落しました。37ドル台の維持は現時点では困難な状況のようです。過去12年ぶりの高値圏にあることを考慮すると、しばらくはこの水準での値固めが必要になる可能性があります。
プラチナ相場は前日午前中に最近の高値となる1348.7ドルまで上昇しましたが、大阪取引所での大口買い注文がこの高値の背景にあったと報告されています。その後は利益確定売りが強まり、これまでの一方的な上昇に対する調整もあって1260ドル台まで直線的に下落しました。短期投資家の売買が一巡した後、1300ドルまで回復し、現在は1300ドル前後で推移しています。
プラチナのリース金利(貸出金利)は依然として高水準で推移していることから、プラチナの上昇基調はまだ終了していない状況と判断されます。
ロンドン市場では、米国市場の休場により取引量が限定的となりましたが、地政学的リスクと貴金属の需給バランスが引き続き価格形成の主要要因となっています。
プラチナについては供給不足の状況が継続しており、特に実需による着実な買い支えが見られることから、中長期的な上昇基調は維持されると予想されます。
明日からは米国市場も再開されることから、より活発な取引が予想され、地政学的要因や金融政策動向が再び注目される状況となります。
※記事は英国時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。