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貴金属市況:23日のNY市場において、イラン核施設爆撃後の急騰は一過性、利食い売り圧力で調整

                               
2025.06.24  貴金属市況

金:3355.27ドル(-0.25)<-0.01%>
銀:35.96ドル(-0.04)<-0.11%>
プラチナ:1301.34ドル(+34.87)<+2.75%>
パラジウム:1082.98ドル(+28.52)<+2.71%>

 

23日のNY貴金属市場では、週末の米国によるイラン核施設攻撃を受けた初動の買いが数分で終息し、その後は利食い売りが優勢となる展開となりました。
金価格は3355.27ドルで取引を終了し、前日比わずか0.25ドル(0.01%)の小幅安となりました。週末の軍事行動により市場開始直後には3367ドルから3386ドルまで上昇しましたが、その後は下落基調に転じました。週末の軍事行動は結果的に市場開場前にほぼ織り込まれてしまい、パニック的な値動きにはならない結果となりました。
ドル円相場では、日本の中東原油への依存度の高さからホルムズ海峡封鎖への懸念が広がり、有事の円買いとはならず逆に円安が進行しました。一時148円まで上昇し、この影響で円建て金価格は歴史的高値を更新しました。前回の高値は先週月曜日16日の16046円でしたが、23日につけた新高値は16077円となりました。
しかしその後、NY株価は大幅上昇となり、地政学的リスクがもはや無視される状況でリスクオン相場となり、金にも売り圧力が強まりました。さらに決定的だったのは、トランプ大統領がイラン・イスラエル間で完全停戦の合意があったと発表したことで、金は一段と売られて3345ドルまで下落しました。円建て金価格もドル円が148円から145円台まで大きく戻したことで、現在15688円と前日の歴史的高値から約390円近い大幅下落となりました。
世界ゴールド協議会(WGC)が発表した中央銀行の第1四半期金購入量は290トンと、四半期ベースでは過去最大の規模となりました。中国、インド、その他新興国による「ドル離れ」を背景とした金購入の流れは2022年から3年連続で年間1000トンを超える規模で継続しており、金価格の構造的な支援要因となっています。
連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン副議長は、インフレ圧力が抑制されたままであれば早ければ次回会合で利下げを支持したいとの認識を示し、この発言がドル安を招き金の買い戻しを誘いました。
銀価格は35.96ドルで前日比0.04ドル(0.11%)の小幅安となりました。2012年以来の13年ぶり高値圏での値固め局面が続いており、37ドル台の維持は現時点では困難な状況です。太陽光発電パネル、電子機器、電気自動車の普及拡大により、銀の工業需要は急速に拡大しており、年間約2億オンスの銀が太陽光発電業界だけで消費されています。これは全世界の銀需要の約20%に相当する規模です。
プラチナ価格は1301.34ドルで前日比34.87ドル(2.75%)の大幅上昇となりました。午前中に1348.7ドルまで上昇し、2014年9月以来の10年ぶり高値を更新する場面もありました。大阪証券取引所での大口買い注文がこの高値の背景にあったと報告されています。
プラチナ市場では1か月間にわたってリース金利(貸出金利)が異常に高い水準で推移しており、現在16%という極めて高い水準が続いています。過去の経験では、このような高水準のリース金利が長期間継続することは珍しく、実際に現物不足が深刻化している状況を示しています。世界プラチナ投資協議会(WPIC)の5年間需給見通しによると、プラチナ市場の供給不足は今後も継続する見込みです。
金価格の高騰により、中国の宝飾品需要が金からプラチナにシフトしている現象も注目されています。中国金協会によると、2025年第1四半期の中国における金宝飾品消費は前年同期比27%減少しており、代替需要としてプラチナへの関心が高まっています。
パラジウムは1082.98ドルで前日比28.52ドル(2.71%)上昇しました。自動車産業における触媒需要が主要な価格決定要因となっており、電気自動車への移行が進む中でも、内燃機関車やハイブリッド車での需要は継続しています。
貴金属セクター全体では、地政学的リスクは短期的な影響にとどまり、より構造的な要因である中央銀行の金購入継続、工業需要の拡大、供給不足問題が価格形成の主要要因となっています。特にプラチナについては、現物不足の深刻化により価格の大幅な下落は考えにくい状況となっています。
技術分析面では、金価格のRSI(相対力指数)とMACD(移動平均収束拡散指標)が中立水準上方で推移しており、3167ドルから3440ドルのレンジ内での動きが続いています。プラチナについては、1260ドル(上昇10日移動平均線)を割り込んだものの、1240ドル(23.6%フィボナッチ・リトレースメント)が重要なサポートレベルとして注目されています。

 
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。