貴金属市況:28日のNY市場において、金は関税合意でドル高進行、レンジ中央に下落
金:3314.45ドル(-25.79)<-0.77%>
銀:38.18ドル(-0.09)<-0.24%>
プラチナ:1405.88ドル(-7.12)<-0.50%>
パラジウム:1255.75ドル(+2.60)<+0.21%>
28日のNY貴金属市場では、日本そして欧州連合(EU)と続いた関税合意がマーケットにポジティブに受け取られ、ドルが大きく買い戻されたことで金が売られる展開となりました。その結果、金価格は3200-3400ドルレンジの中央付近まで下落しました。各金属の価格は日本時間15時15分現在の値となっています。
金価格は3314.45ドルで前日比25.79ドル(0.77%)下落しました。NY金先物中心限月8月限は3310.0ドルで前営業日比25.6ドル安となっており、米国とEUの通商合意や米中の通商協議の休戦延長見通しを受けて売りが優勢となりました。外国為替市場でドル指数が上昇したことから、下げ幅を拡大する値動きとなりました。
この下落により、金価格は3200-3400ドルレンジの真ん中に位置することとなりました。関税問題の段階的解決への期待が、投資家のリスク選好度を高め、安全資産である金からの資金流出を促しました。
銀価格は38.18ドルで前日比0.09ドル(0.24%)の小幅下落となりました。金価格ほどの大きな下落は見せませんでしたが、貴金属全体の売り圧力の影響を受けて軟調に推移しました。
プラチナ価格は1405.88ドルで前日比7.12ドル(0.50%)下落しました。先週の金曜日には40%近くまで上昇していたリースレートは相当落ち着きましたが、依然として1ヶ月で20%近いレベルであり、供給不足の状態が継続しています。
パラジウム価格は1255.75ドルで前日比2.60ドル(0.21%)上昇し、4つの貴金属の中で唯一の上昇となりました。パラジウムも1ヶ月のリースレートは4%であり、需給の逼迫が見て取れます。
注目すべき点は、金と他の3つの金属のリースレートに明確な格差が生じていることです。銀そしてパラジウムも1ヶ月で4%のリースレートとなっており、ほぼマイナス金利の金とは全く異なる状況を示しています。
SPDR金ETFの現物保有量は、28日時点で前日比0.86トン減の956.23トンとなりました。関税合意を受けた金売りの流れが、ETFの資金流出にも表れています。
今週は経済指標ウィークとなります。水曜日のADP雇用統計、木曜日早朝のFOMC(連邦公開市場委員会)政策金利発表とパウエル議長の記者会見、夜の新規失業保険申請件数、そして金曜日夜の雇用統計(21時30分)、ISM製造業景況指数と消費者信頼感指数(23時00分)と重要な経済指標が目白押しです。
これらの数字によって、金価格が再び3200-3400ドルレンジをブレイクするような動きになるかどうかが決まってくるでしょう。特にFOMCでの金融政策の方向性と雇用統計の結果は、金価格の今後の方向性を占う上で重要な指標となります。
現在の市況は、関税問題の進展により貿易摩擦への懸念が後退し、リスクオン相場となっていることが特徴的です。しかし、金価格については依然として下値の堅さが維持されており、大幅な下落リスクは限定的と見られます。
プラチナについては、リースレートが高水準を維持していることから、需給の逼迫状況が続いています。今後の値動きを占う上でも、プラチナのみならず銀、パラジウムもリースレートが高水準にあり、供給不足の状態であることは重要な要因です。需給バランスの悪化により価格のさらなる上昇が見込まれます。
市場の焦点は、今週の一連の経済指標の結果と、それらが金融政策にどのような影響を与えるかに移っています。特に雇用統計の結果次第では、FRBの政策スタンスに変化が生じる可能性があり、金価格の方向性を大きく左右することになりそうです。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






