貴金属市況:4日のNY市場において、金は米長期金利低下を受けて堅調に推移、雇用統計の影響継続
金:3375.46ドル(+17.19)<+0.51%>
銀:37.44ドル(+0.28)<+0.75%>
プラチナ:1339.09ドル(+27.09)<+2.06%>
パラジウム:1209.42ドル(+6.06)<+0.50%>
4日のNY貴金属市場では、金価格が力強い動きを維持しました。先週末の雇用統計ショック以降の流れが継続し、9月の利下げ期待の高まりを背景に、米長期金利の低下が金価格を支援する展開となりました。各金属の価格は日本時間15時15分現在の値となっています。
金価格は3375.46ドルで前日比17.19ドル(0.51%)の上昇となりました。外部参考資料によれば、NY金先物中心限月12月限は前営業日比26.6ドル高の3426.4ドルとなっています。3385ドル水準まで上昇する場面もあり、着実な値上がりを示しています。
取引序盤は先週末の大幅上昇を受けて利益確定の売りが見られましたが、その後の政治的動向が市場心理を支援しました。クーグラー連邦準備制度理事会(FRB)理事の辞任表明や、トランプ大統領による労働省労働統計局長の解任といった政治的混乱が、押し目買いを誘発しました。
特に先週金曜日の雇用統計による過去2か月分の大幅下方修正の影響は継続しており、9月の利下げ観測がさらに高まっています。現在、9月の利下げ実施可能性は94.4%の高水準となっており、25ベーシスポイントの利下げ実施が既定路線として市場で受け止められています。この利下げ期待の高まりは金にとって押し上げ要因として機能しており、同時に株式市場にとっても支援材料として働いています。
米長期金利が4.20%を割り込んで推移していることも、金価格の上昇を支えています。金利低下は金の機会コストを減少させるため、投資家にとって金の魅力を高める要因となっています。
季節的な要因として、現在は夏場の閑散期に入っており、株式とゴールドが共に緩やかな上昇基調を維持する展開が予想されます。この時期は取引量が減少しがちですが、根強い需要に支えられた穏やかな上昇トレンドが継続する可能性があります。
円建て金価格については、米国の金利下げがドル円相場においてはドル売り円買い要因として作用する一方で、ドル建て金価格の上昇とのバランスにより、15950円付近でのレンジ推移となっています。ドル建て金価格の上昇とドル円の変動が互いに打ち消し合うことで、円建て価格の変動は限定的に留まっています。
銀価格は37.44ドルで前日比0.28ドル(0.75%)上昇しました。金価格に連れて底堅い動きを見せましたが、上昇幅は金価格と比較して控えめな水準に留まりました。
プラチナ価格は1339.09ドルで前日比27.09ドル(2.06%)の上昇となり、最も注目される動きを示しました。プラチナのリース金利は依然として高水準を維持しており、一時的に下がったものの、前日には再度上昇に転じています。1か月物のリース金利は再度15%近い水準まで跳ね上がっており、物理的供給の逼迫状況が容易には改善されないことを示しています。これは現物の供給不足を明確に表しており、価格上昇の構造的要因となっています。
パラジウム価格は1209.42ドルで前日比6.06ドル(0.50%)上昇しました。他の貴金属と歩調を合わせた動きを見せ、全体的な貴金属セクターの底固い推移に参加しています。
SPDR金ETFの現物保有量は、4日時点で前日比1.72トン増の954.8トンとなりました。先週の資金流出の流れから一転して資金流入に転じており、投資家心理の改善を示しています。また、2024年12月末と比較すると82.28トン増加している状況で、中長期的な金需要の強さが確認されています。
政治的側面では、クーグラーFRB理事の辞任表明とトランプ大統領による労働統計局長の解任が市場に影響を与えています。特に統計機関の独立性を脅かすような政治的介入は、市場の不安心理を高め、安全資産である金への需要を押し上げる要因となっています。
市場全体としては、先週の雇用統計ショックの影響が継続しており、労働市場の急速な悪化を受けたFRBの政策転換期待が金価格を支えています。夏場の閑散期に入った中で、株式市場と金市場の両方が金利下げ期待を材料に穏やかな上昇を継続する可能性が高まっています。
今後の展望として、プラチナについてはリース金利の高水準維持が継続する限り、物理的供給不足による価格押し上げ圧力が維持されると予想されます。金価格については、9月のFOMCに向けて利下げ期待がさらに高まる可能性があり、3400ドル台への挑戦が現実的な目標として浮上しています。
週明けの市場では、追加のFRB高官発言や経済指標に注目が集まりますが、当面は金利低下トレンドと政治的不確実性を背景とした金の底固い推移が続く可能性が高いと考えられます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






