貴金属市況:19日のNY市場において、金は神経質な動きも結果的に横ばい、パラジウムは下落継続
金:3334.19ドル(-14.81)<-0.44%>
銀:38.09ドル(+0.04)<+0.11%>
プラチナ:1335.35ドル(-29.24)<-2.14%>
パラジウム:1117.17ドル(+2.17)<+0.19%>
19日のNY貴金属市場では、金価格が神経質な動きを見せながらも結果的にはほぼ横ばいとなりました。
金価格は3334.19ドルで取引を終了し、前日比14.81ドル(0.44%)の小幅下落となりました。朝方は3333ドル近辺で始まり、一瞬3322ドルまで急落した後、3336ドルまで急騰するという変則的な動きを見せました。その後午後14時頃までに3358ドルまで上昇しましたが、欧米時間ではその分を売り戻す展開となり、結果的に月曜日朝から一日動いて全く同じレベルに戻るという状況となりました。
本格的な動きはやはりジャクソンホール経済政策シンポジウム待ちという状況が続いています。4月から続く3200-3400ドルレンジは依然として継続しており、大きな方向感を欠く展開が続いています。
円建て金価格については、昨日午前7時のオープニング直後に15740円まで急落しましたが、その後は15911円まで急騰する激しい動きとなりました。現在は15846円で推移しています。朝の急落場面では買い場を狙う投資家も多かったようですが、急速な戻りにより買い増し機会を逃したケースも見られました。
銀価格は38.09ドルで前日比0.04ドル(0.11%)のわずかな上昇となりました。金の動きに連れる形で小動きとなりました。
プラチナ価格は1335.35ドルで前日比29.24ドル(2.14%)の下落となりました。しかし、プラチナのリース金利は依然として高止まりしており、現物供給のタイトさは継続しています。
パラジウム価格は1117.17ドルで前日比2.17ドル(0.19%)のわずかな上昇となりましたが、全体的な下落基調は変わっていません。パラジウムはPGM(プラチナ族金属)の中で唯一弱い動きを続けています。
パラジウムの下落要因として、中国での新エネルギー車(NEV)の普及拡大が挙げられます。中国政府による補助金効果により、6か月連続で自動車販売が伸びており、7月は前年度比15%の増加となりました。この新車販売の半分は政府補助金によるNEV(プラグインハイブリッド車とバッテリー電気自動車)となっており、自動車販売全体では27%の伸びで120万台に達しました。
NEVの内訳では、プラグインハイブリッド車(PHEV)が36%で3%の伸び、バッテリー電気自動車(BEV)が64%で47%の伸びとなっています。これにより従来のガソリンエンジン車で使用されるパラジウム触媒の需要は減少することになります。
一方、NYMEX(ニューヨーク商品取引所)では、パラジウムだけが2021年9月から投資家がずっとショートポジションを維持しており、この弱気な投資家心理が続いています。今年に入ってからのプラチナ上昇により、プラチナも上昇しNYMEX投資家ショートも減少傾向にありましたが、結果的にロングに回ることはなく、再びショートが増えてきました。
他のPGMについては、ロジウム、ルテニウム、イリジウムは水素プロジェクトの拡大が価格の追い風となっています。特にルテニウムはHDD(ハードディスクドライブ)需要の増加も価格上昇要因となっています。これらの金属はパラジウムと異なり9割近くが南アフリカでの生産であり、今年前半の南アフリカの生産落ち込みも価格に影響していると考えられます。
今週はジャクソンホール経済政策シンポジウムが開催され、パウエル議長の発言に注目が集まります。利下げに踏み込むような発言があれば金相場は反応する可能性があります。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






