貴金属市況:21日のNY市場において、金は小幅反落、ジャクソンホール会議でのパウエル議長発言待ちの膠着状態
金:3339.76ドル(+0.92)<+0.03%>
銀:38.14ドル(+0.97)<+2.61%>
プラチナ:1360.50ドル(+28.99)<+2.18%>
パラジウム:1118.89ドル(+11.43)<+1.03%>
21日のNY貴金属市場では、金価格が小幅な動きに終始し、ジャクソンホール経済政策シンポジウムでのパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を前に神経質な値動きとなりました。
金価格について、外部参考資料によればNY金先物中心限月12月限は前日比6.9ドル安の3381.6ドルとなりました。年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」によるパウエル議長の講演を翌日に控えてポジション調整主体による売り買いが交錯し、方向感の出にくい値動きとなっていましたが、外国為替市場でドル指数が上昇したことから徐々に売りが優勢となる展開となりました。
現在の市場状況は、どんどんレンジが狭まっていく動きが続いています。ジャクソンホール会議が前日から始まり、注目のパウエル議長の会見を控えて、とりあえずそれまでは動けない状況が続いています。
FRB内部では利下げに対する慎重な姿勢が強まっています。昨日発言したとされるFRBクリーブランドのハマック総裁は、現在の経済情勢を踏まえると利下げに踏み出す時期ではないと明言し、ほかに二人の地区連銀総裁が同じ意見を表明しています。FRB全体としては、雇用悪化よりもインフレの恐れの方が大きいというのがまだ大勢のようです。
このような中で議長がどのような発言をするのかに注目が集まっています。FedWatchでは9月の利下げの確率が、ほぼ100%であったのが75%まで下げ、25%が据え置きとなりました。ここにきて9月利下げに疑問が呈されてきている状況です。
ここまで市場は0.25%の利下げを織り込んできているだけに、パウエル議長が利下げに対してポジティブなのか、やはりいままで通りdata dependent(データ次第)という発言になるのかで市場は動きそうです。
一方で、米国の経済指標では失業保険申請件数が8月15日終了週で235,000件となり、予想の225,000件を上回りました。継続申請件数も197万件と予想の196万件をわずかに上回る結果となりました。
製造業活動については8月に3年ぶりの高水準まで上昇しました。S&Pグローバルの米総合PMI速報値は、サービス業と製造業の両部門の活動を捉えるもので、7月の55.1から55.4に上昇しました。
銀価格は38.14ドルで前日比0.97ドル(2.61%)の大幅上昇となりました。FRBの利下げ期待が銀価格を支えており、9月の政策会合での利下げ確率は約83%となっています。金利低下は非利回り資産である銀の保有機会コストを低減し、価格を押し上げる要因となっています。
加えて、再生可能エネルギーや電子機器分野での工業需要拡大も銀の上昇要因となっています。特に太陽光発電用途での銀需要は2025年の全体消費量に大きく寄与しており、世界的な太陽光発電システムの記録的な設置数と歩調を合わせています。
プラチナ価格は1360.50ドルで前日比28.99ドル(2.18%)の大幅上昇となりました。金の堅調な動きに連れる形で上昇しました。
パラジウム価格は1118.89ドルで前日比11.43ドル(1.03%)の上昇となりました。他の貴金属の上昇に追随する動きを見せました。
ETF動向では、世界最大規模の金ETF「SPDRゴールド・シェア」の現物保有量が21日時点で前日比1.44トン減の956.77トンとなりました。しかし、2024年12月末比では84.25トン増加しており、中長期的な投資需要は継続しています。
政治的な要因として、トランプ大統領がFRBに対する公的な圧力を継続しており、最近ではリサ・クック理事に辞任を要求しています。クック理事は「いじめられて辞任するつもりはない」と応じており、FRBの独立性を巡る議論が続いています。
市場参加者は、パウエル議長が「様子見」アプローチを示し、タカ派寄りの姿勢を示すかどうかに注目しています。そうした場合、米ドルが上昇し、ドル建て商品価格を圧迫する可能性があります。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






