貴金属市況:1日のロンドン市場において、金は米祝日で薄商い続伸、3489ドル高値で4ヶ月ぶり水準
金:3478.99ドル(-3.70)<-0.11%>
銀:40.67ドル(+1.87)<+4.82%>
プラチナ:1417.54ドル(+69.05)<+5.12%>
パラジウム:1141.97ドル(+44.47)<+4.05%>
1日のロンドン貴金属市場では、米国がレイバーデー(労働者の日)の祝日により薄商い環境の中で、金価格が続伸し、一時3489ドルまで上昇して4月22日以来約4ヶ月ぶりの高値水準に達しました。NY市場が休場となったため、主にロンドンとアジア時間での取引が中心となりましたが、予想に反して活発な上昇展開となりました。
金価格は前週末のNYクローズと同水準の3444ドル近辺で取引を開始し、当初は金曜日の大幅上昇に対する利益確定売りで3440ドルを割り込む場面もありましたが、その後は再び買いが優勢となりました。3450ドルを突破すると、ストップロスの買いが誘発される形で価格が急伸し、3470ドル、3480ドルを経て最高値3489ドルまで上昇しました。欧州時間終了時には3470-3480ドル圏で推移し、NY時間帯はGlobexでの静かな動きとなりました。
この上昇の背景には、米連邦控訴裁判所がトランプ大統領の包括的関税の大部分を違法と判断したことによるドル安圧力があります。また、FRBの独立性に対する懸念が続いており、金融政策の不透明感が安全資産としての金への需要を支えています。市場では9月の利下げ確率が90%まで上昇しており、低金利環境への期待が貴金属全般を押し上げています。
一方、円建て金は金曜日の遅い時間に歴史的高値を更新した後、1日はさらに大幅上昇となりました。一挙に16478円まで歴史的高値を更新し、現在は16436円で推移しています。このベースで考えると、税込み小売価格は18180円近辺まで上昇し、再び最高値更新が確実な状況となっています。
銀価格は40.67ドルで前日比1.87ドル(4.82%)の大幅上昇となりました。14年ぶりの高値を大きく更新し、最高値は40.76ドルに達しました。2011年9月以来の水準となる40ドル台での取引が定着しており、歴史的高値である2011年4月の49.51ドルに向けた上昇余地が注目されています。
銀の急上昇には複数の要因が重なっています。まず、米国の重要鉱物リストへの銀の追加提案が市場の注目を集めています。米国地質調査所(USGS)は、銀を経済・国防上不可欠で、供給途絶リスクの高い重要鉱物として位置づけており、メキシコからの銀輸出停止リスクを4%の確率ながら4億3500万ドルの経済損失をもたらすシナリオとして評価しています。
また、銀のリースレートが4%近くまで上昇していることから、現物不足の状況が顕在化しています。投資需要の拡大と工業需要の堅調な伸びにより、市場は構造的な供給不足に陥っており、太陽光発電、電気自動車、エレクトロニクス分野での需要拡大が続いています。
円建て銀価格は記録が残る1983年以来の歴史的高値を大幅に更新しました。過去の安値1グラム13円から現在の高値192円まで、約15倍の上昇を記録しています。
プラチナ価格は1417.54ドルで前日比69.05ドル(5.12%)の大幅上昇となりました。南アフリカの生産制約が深刻化しており、2008年の81鉱山から現在は53鉱山まで35%減少した生産能力が価格上昇を支えています。中国での投資需要拡大とジュエリー需要の堅調さも相場をサポートしています。
パラジウム価格は1141.97ドルで前日比44.47ドル(4.05%)の大幅上昇となりました。ロシア産パラジウムに対する関税見通しを巡る思惑が価格変動を左右していますが、貴金属全体の上昇に連動する形で大幅高となりました。
市場全体としては、薄商い環境の中で投機的な買いが価格上昇を加速させた面もありますが、基本的には低金利環境への期待、ドル安圧力、地政学的リスクの高まりが貴金属全般を押し上げています。金価格は4月22日の歴史的高値3500ドルまで残り11ドルまで接近しており、年後半に向けた新たな上昇局面の継続が期待されています。
※記事は英国時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






