貴金属市況:24日のNY市場において、円建て金は史上最高値18035円を記録も、パウエル発言で調整
金:3742.27ドル(-29.43)<-0.78%>
銀:43.93ドル(-0.22)<-0.50%>
プラチナ:1478.47ドル(-4.10)<-0.28%>
パラジウム:1213.42ドル(-13.58)<-1.11%>
24日のNY貴金属市場では、前日の円建て金史上最高値更新の余韻が残る中、パウエルFRB議長の慎重発言を受けて調整の動きとなりました。
前日23日の東京時間には、円建て金価格が日本時間午後10時過ぎに18035円と初めて18000円台に突入し、史上最高値を更新しました。しかしその後のNY時間では、ドル建て金が売り圧力を受けて17800円まで下落した後、現在は17900円近辺まで戻しています。
ドル建て金価格は、22日に記録した史上最高値3790.82ドルの更新には至りませんでした。NY時間では3770ドルから3717ドルまで下落し、現在は3740ドル付近で推移しています。この下落の背景には、パウエルFRB議長による利下げに対する慎重な発言がありました。
パウエル議長は前日の講演で、「積極的すぎる利下げはインフレのリスクを増大させる」と述べ、追加緩和に慎重な姿勢を示しました。これまでより積極的な行動を示唆していた他のFRB当局者の発言とは対照的で、市場では安心感からドルが回復し、金に対する利益確定売りが発生しました。
技術的には、金価格は火曜日に記録した3790ドル超えの史上最高値からの調整局面にあります。日足チャートでは、RSI(相対力指数)が74付近と依然として極端な買われ過ぎ水準にありながらも、わずかに低下しています。20日単純移動平均線は3617ドル付近で強固に上昇しており、強気の優位性を反映しています。
短期的には、4時間足チャートの技術指標がほぼ垂直に下落し、極端な買われ過ぎ水準から中間線に向かって調整していることから、さらなる下落の可能性が示唆されています。
サポートレベルは3736.00ドル、3722.54ドル、3707.40ドルに設定され、レジスタンスレベルは3758.80ドル、3779.15ドル、3791.00ドルとなっています。
1971年のブレトンウッズ体制崩壊後、変動相場制が始まってからのRSIを計算すると、現在は89.36と過去最高レベルに達しています。これは文字通り「過去最大の買われ過ぎ」状況を示しており、このような極端な水準は技術的な調整の必要性を示唆しています。
しかし、この調整は必ずしも大幅な下落を意味するものではありません。最近の市場では「押し目待ちに押し目無し」という現象が顕著に見られ、小さな下げでは買い手が現れず、結果的に価格がさらに上昇するパターンが繰り返されています。
こうした相場環境では、機械的な積立投資が最も有効な戦略となります。特に金だけでなく、プラチナと銀を組み合わせた分散投資が推奨されます。金を優良株に例えるなら、プラチナと銀は大化けする可能性がある成長株のような位置づけにあり、今年はその可能性が実証されています。
銀価格は43.93ドルで前日比0.22ドル(0.50%)の小幅下落となりました。しかし、火曜日に記録した14年ぶりの高値44.47ドル近辺を維持しており、10月のFRB利下げに対する期待が支援材料となっています。CME FedWatchツールによると、10月の25ベーシスポイント利下げの可能性は93%まで上昇しています。
地政学的リスクも銀価格を支えています。NATOがロシアの領空侵犯に対して「強固な」対応を誓約したほか、トランプ大統領が国連総合会議でロシアがウクライナでの戦争を終結させなければ「非常に強力な関税」を課す用意があると警告しました。
プラチナ市場では劇的な変化が起きています。中国の需要急増と金融緩和期待により、投資家が金からプラチナへの資金移動を加速させています。プラチナ価格は一時1528.40ドルの史上最高値を記録し、1日で5%上昇しました。
この背景には、中国市場での大きな変化があります。金価格が3700ドルを超える水準まで上昇したことで中国の消費者の購買意欲が減退し、代わりにプラチナの宝飾品、地金、コインへの需要が急増しています。世界プラチナ投資協議会(WPIC)によると、中国は現在、世界のプラチナ地金・コイン需要の64%を占めており、2019年の11%から大幅に増加しています。
パラジウム価格は1213.42ドルで前日比13.58ドル(1.11%)の下落となりました。他の貴金属と同様に、利益確定売りの影響を受けましたが、ロシアに対する制裁強化の可能性が中期的な支援材料となっています。
今後の注目材料は、木曜日発表予定の米国第2四半期GDP最終値と、金曜日のPCE(個人消費支出)物価指数です。FRBが重視するインフレ指標であるPCEの結果は、今後の金融政策の方向性を占う上で重要な材料となります。
安定した成長と和らぐインフレ圧力が確認されれば、ドルにとって追加的な強さを提供し、金価格にとっては一時的な逆風となる可能性があります。
市場全体としては、極端な買われ過ぎ状況からの技術的調整が進行中ですが、基調となる上昇トレンドに変化はありません。パウエル議長の慎重発言は短期的な調整要因となっていますが、労働市場の軟化と年内追加利下げ期待は依然として金価格の根本的な支援材料となっています。
歯科治療で使用される金銀パラジウム合金の売却を検討されている方にとっては、現在の価格水準は非常に魅力的なタイミングと言えるでしょう。特に金とパラジウムが史上最高値圏で推移している現状では、不要な歯科金属の売却には良い機会となっています。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






