貴金属市況:3日のNY市場において、金3919.59ドル・円建て18811円の史上最高値更新、税込み小売価格2万円突破で国内買い需要急増
金:3910.80ドル(+58.80)<+1.53%>
銀:48.24ドル(+1.08)<+2.29%>
プラチナ:1622.80ドル(+53.00)<+3.37%>
パラジウム:1278.70ドル(+32.70)<+2.62%>
3日のNY貴金属市場では、全面高の展開となりました。金価格は日本時間15時15分現在3910.80ドルで前日比58.80ドル(1.53%)の大幅上昇となっています。先週は歴史的高値圏での推移が続き、ドル建て金価格の史上最高値はほぼ毎日更新されました。最終的な史上最高値は3896.49ドルとなり、当面は3800-3900ドルのレンジとなっています。
円建て金価格の高値は18468円となりました。先週のレポートで税込み小売価格は2万円をつけてもおかしくないと記載しましたが、月曜日早々に2万円を突破しました。水曜日には20324円まで上昇し、これがこれまでの小売価格最高値となっていますが、金曜日のNY引け値で計算すると月曜日はそれをさらに上回ることになる見通しです。
米政府のシャットダウンにより、雇用統計もCFTC(商品先物取引委員会)の投資家ポジションも発表されていませんが、金市場は特に大きな反応を示していません。金が最高値レベルで堅調であることが、そのシャットダウンへの反応かもしれません。
日本では税込み小売価格2万円超えにより、大きな注目を集めました。新聞、テレビ、雑誌等で貴金属市場への関心が急速に高まっています。テレビのスタジオ出演、オンライン出演など、多くのメディアが金価格2万円突破を大きく報道しました。朝日新聞、読売新聞、中日新聞、アエラ、週刊新潮などの活字メディアでも大きく取り上げられ、2万円という大台がこれだけのインパクトを与えています。
特筆すべきは、大手地金商や鉱山会社で金のスモールバーが売れすぎて生産が間に合わない状況が発生していることです。スモールバーの販売が一時停止しているところもあります。これまでの日本では考えられなかったことです。
これだけ価格が上昇すると、基本的には圧倒的に売り手になっていた日本の投資家が、これだけ買い手になるというのは時代が変わったことを示しています。多くの投資家が「金を持つ」ことの重要性を理解しているものと考えられます。
その根底にあるのは、避けることのできないフィアットマネー(不換紙幣)の価値減退です。それに対する有効な対策として金を保有することへの認識が広がっています。このため、最高値でも買いが続く状況となっています。金への投資家の買いはまだまだ続くと見られています。
週末の高市氏の自民党総裁選勝利の結果、月曜日朝7時のマーケットオープンでドル円は金曜日の引け147.45円から一挙に149.20円まで上昇して始まりました。日経平均CFDは2000円以上の上昇となり、ドル建て金も金曜日終値3886ドルに対してオープンから上昇し、3900ドルを超えた時点でストップロスの買いと新規買いが入ってきて3916ドルまで上昇しました。
円建て金価格の新史上最高値は18811円、ドル建て金価格のそれは3919.59ドルとなりました。
三菱マテリアルの3日の金相場は大幅反発となりました。NY先物市場12月限は前営業日比40.8ドル高の3908.9ドルで取引を終えました。取引レンジは3861.1ドルから3916.8ドルでした。米政府機関閉鎖が長引けば米経済活動に悪影響を及ぼしかねないとの警戒が高まる中、安全資産である金が買われました。FRBが利下げ方針を維持するとの期待も金の支援材料となっています。
銀価格は48.24ドルで前日比1.08ドル(2.29%)の大幅上昇となりました。金と同様に、米政府機関閉鎖やFRBによる利下げ期待を背景に買い優勢となりました。銀は一時48ドルを突破し、2011年4月以来初めて48ドルを上回りました。これは1980年の50ドル高値への再接近となります。
木曜日の市場では、金と銀が史上最高値と14年ぶり高値をそれぞれ記録した後、急落する展開となりました。金価格は一晩で1.1%下落を反転させて新高値をつけましたが、3900ドルまであと4ドルに迫ったところでピークをつけ、わずか1時間で1.8%下落して3830ドルまで売られました。
銀も一晩の下落を反転させて48ドルを突破しましたが、その後3.9%急落して46.10ドルまで下げ、今週のそれまでの上昇を全て消す展開となりました。
ドイツ銀行は「市場の観点から見ると、最も具体的な影響は、本日の週間新規失業保険申請件数データが得られず、明日の雇用統計も発表されないことです。そのため、民間部門のデータ発表が結果として市場に過大な影響を与えています」と指摘しています。
政府シャットダウン前に、労働統計局のJOLTS(求人労働異動調査)データによると、失業している米国労働者の数が求人数を2021年4月以来初めて上回りました。しかし、この状況は2001年にJOLTSデータが開始されてから17年近く継続していた状況でもあります。
専門貴金属市場アナリストであるMetals Focusは「非必須サービスがシャットダウンされているにもかかわらず、歴史的にシャットダウンのGDP成長への影響は短期的で限定的でした。これは主に、必須の政府サービスが運営を続け、通常は迅速に解決策が見出されたためです。しかし、近い将来に超党派の解決策が見出されたと仮定しても、我々は2026年まで金に対して建設的な見通しを維持しています」と述べています。
日本の三菱グループの貴金属部門は「金市場において現在4つの側面が際立っています。インドの回復力:輸入が9ヶ月ぶりの高水準で、国内価格はわずかなディスカウントのみ。中国の減少:国内需要は引き続き軟化。ETF流入、特に欧米の金ETF。そしてコイン・バー需要:欧米の小売買いが数ヶ月の停滞の後に急増しています」としています。
プラチナ価格は1622.80ドルで前日比53.00ドル(3.37%)の大幅上昇となりました。三菱マテリアルによると、3日のプラチナ相場は大幅反発し、NY先物市場1月限は前営業日比56.1ドル高の1642.1ドルで取引を終了しました。
パラジウム価格は1278.70ドルで前日比32.70ドル(2.62%)の大幅上昇となりました。他の貴金属の上昇につられる形で反発しています。
市場全体としては、米政府シャットダウンの影響により公式経済統計の発表が停止される中、民間データへの依存度が高まっています。しかし、金をはじめとする貴金属は安全資産としての需要が引き続き強く、特に日本国内では小売価格2万円突破を契機に個人投資家の買い意欲が急速に高まっています。
大手地金商でのスモールバー販売一時停止という異例の事態は、日本の投資家心理が「売り手」から「買い手」へと大きく変化したことを象徴しています。フィアットマネーの価値減退への懸念と、金保有の重要性への理解が広がる中、この買い需要はまだまだ継続すると見られています。
歯科治療で使用される金銀パラジウム合金をお持ちの方にとって、現在の価格水準は売却に絶好のタイミングです。金が史上最高値を更新し、小売価格も2万円を超えた現状では、保有されている歯科金属の価値は極めて高くなっています。スモールバーの需要が急増し供給不足となっている状況を考えれば、不要な歯科金属の売却には最適な機会となっています。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






