貴金属市況:17日のNY市場において、金9週連続上昇後の利益確定売り、世界中で行列とスモールバー不足の投資熱過熱
金:4262.60ドル(-96.65)<-2.22%>
銀:51.93ドル(-2.38)<-4.38%>
プラチナ:1629.65ドル(-75.35)<-4.42%>
パラジウム:1510.00ドル(-96.00)<-5.98%>
17日のNY貴金属市場では、9週間連続上昇を記録した金に利益確定売りが出る展開となりました。金価格は日本時間15時15分現在4262.60ドルで前日比96.65ドル(2.22%)の下落となりましたが、依然として4200ドル台の高水準を維持しています。銀は51.93ドルで前日比2.38ドル(4.38%)の下落、プラチナは1629.65ドルで前日比75.35ドル(4.42%)の下落、パラジウムは1510.00ドルで前日比96.00ドル(5.98%)の下落となりました。
金は9週間連続の上昇を記録しました。前週はドル建ても円建ても歴史的高値を大きく更新する展開となりました。前々週のレポートで金が4000ドルを超えたと記載されましたが、前週一週間で4378ドルまで上昇し、ほぼ400ドル、10%近い上昇となりました。
円建て金も月曜日夜に初めて20000円を超え、金曜日には21134円まで上昇しました。税込み小売価格も金曜日には23254円となり、初めて小売価格が2万円を超えてからわずか3週間で23000円台に到達するという目を見張るような上昇となっています。
金曜日の最高値からはNY市場で引けにかけて利益確定売りが出て、金は一時4200ドル割れまで下落しました。その後4250ドルまで戻して一週間を終えました。絶対値が4300ドルになると、100ドルや200ドルの動きはほとんど誤差のような感覚になります。
市場では、続く上昇に対してある程度の調整を期待する声もありますが、なかなか本格的な下落にはならず、下落してもすぐに買い戻されるという動きが継続しています。金曜日の下落も押し目買いの機会となる可能性があります。
現在の金に対する投資熱の高まりは非常に過熱した状態にあります。世界中の貴金属ショップで行列ができています。シドニー、シンガポール、ベトナム、そして日本でも同様の現象が見られます。
日本では地金商や鉱山会社が投資家向けのスモールバーの生産が需要に追いつかず、各社がその販売を中止しています。ただし、500グラムや1キログラムのバーは通常通り購入できるため、金自体が不足しているわけではありません。あくまで小さなバーの生産が追いつかないという状況です。
先物取引所の金先物価格が理論値を大きく超えた価格になっており、金ETFも同様に金自体の価格を上回る価格で取引されています。これらはすべて、想定以上の投資家の買いが入ってきたことによる市場の歪みと言えます。
本来であれば裁定取引によってそのような歪みは修正されるはずですが、現在の投資家の金買いはそういった修正の動きをはるかに上回るものとなっています。金買いの原因が特定の短期的要因ではなく、経済システム(通貨)に対する不信からの動きであると考えると、この流れは継続すると見られます。
JPモルガンの言葉が市場の本質を示しています。「Gold is money. Everything else is credit.(金こそが貨幣である。それ以外はすべて信用に過ぎない)」という格言は、現在の金上昇の背景を的確に表現しています。
月曜日の朝は、前週の引け4249ドルに対して一時4268ドルまで上昇し、その後4248ドルまで戻して4256ドルとなりました。結局は下落したら買うという姿勢が市場に根付いている様子が見られます。
最近、1540シリーズ(金、白金、銀、パラジウムのETF)のメタル価格との大きな乖離が目立っています。特に前週金曜日の乖離は看過できないほど拡大し、金は20%以上もメタル価格より高く取引されていました。これに対して発行元から「お知らせ」文書も発表されています。
このETFは金に実際に裏打ちされています。まず金を購入してそれを証券化するのですが、その金は東京の倉庫会社で保管されます。問題は、金の価値が上昇しすぎて倉庫会社の預かりリミットを超えてしまうこと、そしてその金に保険をかけにくくなっていることで、思うように証券化が進まないという背景があります。
その状態で投資家の巨大な買いが入ってきており、証券化が間に合わず既存の証券の価格が急騰しているという状況です。これは東京に現物を保管するというこの商品特有の仕組みから来ているもので、他の金ETFはほぼLoco London gold(ロンドン受渡金)ベースであり、このような乖離はまず発生しません。
1540シリーズの保有者にとっては、このように10%以上メタルよりも高く取引されている場合、それを売却して同時に乖離していない他のETFを購入するという戦略が考えられます。乖離がなくなれば再び1540シリーズを購入し、保有していたETFを売却します。再び乖離が発生したら同じ取引を繰り返すことで、メタルETF裁定取引が可能となり、1540シリーズの乖離も発生しにくくなります。
現在の状況では、1540シリーズの新規購入は慎重になるべきという意見もあります。乖離がない適正な価格に戻ってからの購入が推奨されます。これも現在の金ブームがもたらした市場の歪みと言えます。
銀価格は51.93ドルとなり、依然として1980年のハント事件時の高値を超える水準を維持していますが、利益確定売りで4.38%の下落となりました。
プラチナ価格は1629.65ドルで4.42%の下落となりましたが、依然として12年ぶりの高値圏にあります。年初来の上昇率は80%を超える水準を維持しています。
パラジウム価格は1510.00ドルで5.98%の大幅下落となりましたが、年初来では依然として50%以上の上昇を記録しています。
今回の全貴金属の調整は、9週間連続上昇という記録的な上昇ペースの後の自然な利益確定と見られています。絶対値が高水準に達したことで、一定の利益確定売りが出るのは健全な市場の動きと言えます。
市場構造としては、世界中で行列ができるほどの投資熱、スモールバーの生産が追いつかない状況、先物やETFの異常なプレミアムなど、過熱感を示す現象が多数見られます。しかし、下落してもすぐに買い戻される展開が続いており、構造的な買い圧力は依然として強い状態にあります。
技術的には、金価格は4200ドル台で推移しており、この水準が新たなサポートラインとなる可能性があります。一時的に4200ドルを割り込みましたが、すぐに回復したことは、この水準での買い支えの強さを示しています。
市場全体としては、9週間連続上昇という記録的な上昇の後の調整局面に入った可能性がありますが、世界中での投資熱の高まり、スモールバーの品薄、ETFや先物のプレミアムなど、需要の強さを示す現象が継続しており、大きな調整にはならない可能性が高いと見られています。
金銀パラジウム合金の歯科金属をお持ちの方にとって、現在の価格水準は依然として極めて有利な売却時期です。金が9週間連続上昇を記録し、一時的な調整はあるものの4200ドル台の高水準を維持している中、保有されている歯科金属の価値は歴史的な高水準にあります。円建て金価格も前週21134円の史上最高値を記録し、税込み小売価格が23254円に達しました。わずか3週間で2万円から23000円台に到達するという急速な上昇を考えると、現在も売却には適した時期と言えます。世界中で行列ができるほどの投資熱が続いており、スモールバーの生産が追いつかない状況は、需要の強さを示しています。一時的な調整があっても、下落すると買い戻される展開が続いていることから、不要な歯科金属の売却には引き続き良好な機会となっています。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






