貴金属市況:26日のNY市場、金は4000ドルの下値固めで上昇、銀は金銀比価77台まで急落
金:4164.55ドル(+15.58)<+0.38%>
銀:51.39ドル(+1.47)<+2.94%>
プラチナ:1596.20ドル(+42.55)<+2.74%>
パラジウム:1430.52ドル(+35.84)<+2.57%>
26日のNY貴金属市場では、日本時間15時15分現在、金は4164.55ドル(前日比+0.38%)、銀は51.39ドル(+2.94%)、プラチナは1596.20ドル(+2.74%)、パラジウムは1430.52ドル(+2.57%)となりました。貴金属は総じて上昇し、4000ドルの下値が固まったとの認識が市場で広がっています。
金価格は継続的な上昇を見せており、歴史的高値からのポジション調整売りがほぼ出尽くしたと見られています。複数の連邦準備理事会高官から12月の会合での利下げを支持する発言が相次いでいることが、金の買いを後押ししています。ハト派寄りのハセット国家経済会議委員長が次期連邦準備理事会議長の最有力候補と伝わったことも支援要因となりました。CME FedWatchツールによると、12月の利下げ確率は84%まで上昇しており、わずか1週間前の50%から大幅に高まりました。
この確率の上昇は、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が金曜日に「金融政策は適度に引き締め的だが、最近の措置により以前ほどではない」と述べ、「近い将来、さらなる調整の余地がある」との見方を示したことなどが背景にあります。9月の小売売上高が予想を下回り、年間の生産者物価上昇率が2.7%で推移したことも、経済の勢いが失われつつあるとの見方を強めています。
注目すべき強気要因として、中国のゴールド先物とゴールド上場投資信託の出来高が増加しており、アジア市場からの需要が底堅さを示しています。また、金に裏付けられた暗号資産であるTether Goldによるゴールド買いが膨らんでいるとの報道があります。Jeffries社のレポートによると、Tether社は2025年に現物金を約100トン購入する意向を示しており、さらに金の鉱区権利から製造流通会社まで幅広く投資を行っているということです。金裏付け型の暗号資産がさらに広がることで、ゴールドの新しい需要分野が形成されつつあります。
中央銀行による金の購入は継続しており、長期的な買い手として4000ドル付近に強い関心があることが、現在の価格下支えにつながっています。また、個人投資家もゴールドを投資対象として抵抗感なく受け入れるようになってきており、特にポートフォリオの多様化という観点から、中央銀行のみならず個人投資家もゴールドを組み入れる動きが加速しています。この傾向は、近年のゴールド上場投資信託の保有量増加に表れています。世界の金上場投資信託の総額は米国の国債市場の約70分の1に過ぎません。ポートフォリオの見直しで国債市場からわずかでも資金が流入するだけで、金価格は急騰する可能性があり、2025年の金価格上昇の背景にはこのような資金移動があると考えられます。
銀価格は大きく上昇し、金銀比価は77台まで急落しました。これは銀の相対的な強さを示す重要な指標です。銀のリースレート(借入金利)は1ヶ月物が6%と再び上昇基調となっており、現物の逼迫を示唆しています。歴史的高値は10月17日につけた54.47ドルで、現在の価格水準からさらなる高値更新に挑戦する可能性があります。銀は3日連続で上昇を続けており、51.26ドルのサポートエリアを回復し、20期指数移動平均を上回る展開となっています。テクニカル面では、52.19ドルが目前の抵抗線となっており、この水準を明確に突破すれば、53.23ドル、さらには54.44ドルのブレイクアウト目標への道が開けます。相対力指数は61付近で、過熱感を示すことなく改善されたモメンタムを反映しています。
銀市場の構造的な供給不足状態は変わっていません。中国の在庫が10年ぶりの低水準に落ち込んだことで、世界の銀市場に新たなリスクが生じています。上海先物取引所関連の倉庫在庫は2015年以来の最低水準に達し、上海金取引所の取引量も9年以上ぶりの最小規模に戻りました。この在庫減少は、中国からの銀輸出が10月に過去最高の660トン以上に急増したことによるものです。金融アナリストによると、逼迫状態はロンドンへの輸出増加と、産業用および宝飾品需要の増加に起因しており、約2ヶ月で緩和されると予想されています。中国での需要増加の一因として、太陽光発電部品向けの銀消費が増加していることが挙げられます。第4四半期は通常、太陽光発電設置のピークシーズンです。
ニューヨークからロンドンへの現物輸送が一巡すると、再び現物不足が注目を集めると予想されます。ロンドンの流動性への懸念は残っており、記録的な英国への流入にもかかわらず、借入コストは依然として高水準にあります。上場投資信託の保有量は堅調に推移しており、価格が最近の記録から下落した後でも大きな償還は見られていません。
プラチナ価格は前日比2.74%上昇し、1596.20ドルとなりました。白金族金属全般に買いが入っており、27日には広州先物取引所でプラチナおよびパラジウムの現物決済先物取引が開始されました。1kg単位の先物契約の最もユニークな点は、従来のインゴットやバーだけでなく、スポンジでの受け渡しができることで、産業用および自動車向けの最終ユーザーにとって非常に魅力的です。この契約により、国内の最終ユーザーが価格リスクをヘッジできるようになり、宝飾品のサプライチェーン全体でマージンと買い戻し割引の削減に役立ち、需要の増加を支援する可能性があります。
パラジウムは前日比2.57%上昇して1430.52ドルとなりました。白金族金属全般の上昇に連動した動きとなっており、プラチナのパフォーマンスと密接に関連しています。
金銀パラジウム合金の歯科金属をお持ちの方にとって、現在の市況は好ましい展開となっています。金は4000ドルの固いサポートの上で推移しており、中央銀行や機関投資家の継続的な買い支えが期待できます。銀は供給不足の構造が継続しており、金銀比価が77台まで低下したことは、銀の相対的な割安感が解消されつつあることを示しています。リースレートの上昇は現物需要の強さを裏付けており、54.47ドルの歴史的高値を目指す展開も視野に入ります。中長期的には、金裏付け型暗号資産などの新たな需要源の出現や、世界の金上場投資信託への資金流入継続が、貴金属価格を下支えする環境が続くと見られます。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






