貴金属市況:19日のNY市場、プラチナは2000ドルを突破、パラジウムは2023年の高値を更新
金:4349.39ドル(+21.20)<+0.49%>
銀:67.50ドル(+1.72)<+2.62%>
プラチナ:1986.95ドル(+48.30)<+2.49%>
パラジウム:1735.12ドル(+36.47)<+2.15%>
19日のNY貴金属市場では、すべての貴金属が上昇しました。
金は前週4330ドル近辺で推移し、堅調な動きを維持しました。18日発表の11月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.7%と市場予想の3.1%を大幅に下回り、一時4374ドルまで上昇しましたが、その後4330ドル近辺に戻す展開となりました。週末は4337ドルで取引を終えました。
円建て金は日銀の政策金利0.75%への引き上げを受けて、皮肉にも円安が進行し、ドル円は157.75まで上昇しました。その結果、円建て金は歴史的高値を大幅に更新し、金曜日には22000円を突破して22047円の新高値を記録しました。週の終値は21998円となりました。日本の10年長期金利は2%を超え、30年国債は3.423%と過去最高の水準に達しました。これは日本の長期国債が売られていることを示しており、海外投資家は円を売却する動きを強めています。
プラチナは歴史的な上昇を続けています。一時2010ドルをつけ、2000ドルの大台を突破しました。今月だけで18%上昇しており、年初来では約107%の上昇となっています。UBSは価格見通しを1オンスあたり300ドル引き上げました。アナリストのジョバンニ・ストーノボとウェイン・ゴードンは、この上昇の一因として欧州委員会が2035年の内燃機関車販売禁止を緩和する方針を示したことを挙げています。EUは排出基準を100%削減から90%削減に変更し、内燃機関車やハイブリッド車の販売継続を認める方針です。電気自動車の普及が当初の想定より遅れているため、触媒としてのプラチナ需要が長期間にわたって堅調に推移するとの見方が強まっています。ただし、UBSはプラチナ価格がパラジウムより大幅に高い状態が続けば、自動車メーカーがガソリン車の触媒にパラジウムへの代替を進める可能性も指摘しています。
パラジウムは1760ドルまで上昇し、2023年の高値を突破しました。11月20日から31%上昇という驚異的な上昇率です。現在の取引水準は買われ過ぎの状態を示しており、短期的には調整または押し目が予想されます。ロシアの生産者ノリリスク・ニッケルは、高いリース金利により化学・ガラスメーカーの一部がリースから直接購入に切り替えたことで、供給がさらに逼迫していると指摘しました。UBSは投資需要の改善と供給制約を理由にパラジウムの価格見通しを100ドル引き上げ、今年の市場はバランスしており、来年は小幅な供給不足に転じる可能性があると予測しています。
銀は67.50ドルで堅調に推移しています。年初来の上昇率は約124%です。アナリストは、銀がもはやインフレヘッジとしてだけでなく、金融政策の乗り離れや産業需要の回復力を反映する資産として再評価されていると指摘しています。銀は金融資産としての性質と産業用途という二重の役割を持つため、インフレが安定化する局面で特に魅力的な投資対象となっています。
スコシアバンクは、貴金属取引デスクを再開する計画を発表しました。同行は2020年にパンデミックの影響で貴金属部門を閉鎖しましたが、金、銅、銀の記録的な上昇を受けて、トレーダーや営業担当者、ストラテジストを採用する動きを始めています。
金銀パラジウム合金の歯科金属をお持ちの方にとっては、引き続き極めて好ましい市況環境です。プラチナが2000ドルを突破し、パラジウムも2023年の高値を更新しており、売却を検討される絶好のタイミングと言えるでしょう。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






