貴金属市況:2日のNY市場、金は続落も年末年始の激しいボラティリティを経て2026年スタート
金:4373.16ドル(-1.12)<-0.03%>
銀:73.51ドル(-0.38)<-0.51%>
プラチナ:2207.35ドル(+97.55)<+4.62%>
パラジウム:1685.75ドル(+49.75)<+3.04%>
2日のNY貴金属市場では、金・銀は小幅に下落、プラチナ・パラジウムは上昇しました。
金は取引前半、地政学的リスクの高まりを受けて買いが先行しましたが、米長期金利の指標である10年債利回りが上昇に転じると、利息を生まない資産である金に売り圧力がかかり、取引後半はマイナス圏で推移しました。中心限月2月限は前営業日比11.5ドル安の4329.6ドルで取引を終えました。2026年最初の取引週は一時4400ドルまで上昇しましたが、週末の終値は4329ドルとなりました。
年末年始の貴金属市場は歴史的な乱高下となりました。クリスマス明けの12月26日に金は歴史的高値4549.71ドルを記録しましたが、その直後から利益確定売りが広がり、12月31日には4273ドルまで急落しました。高値からわずか5日間で270ドル以上の下落です。この急落の主な要因は、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が3日間で2度の証拠金引き上げを実施したことです。12月30日の発表では、金、銀、プラチナ、パラジウムの各契約について証拠金を引き上げました。これは市場のボラティリティに対する適切な担保カバレッジを確保するための措置とされています。証拠金引き上げにより、トレーダーはより多くの資金を担保として差し入れる必要があり、レバレッジの使用が制限されます。年末という時期的な問題もあり、短期投機家の多くはロングポジションを決済せざるを得ない状況に追い込まれました。
銀は80ドルを突破する歴史的な高値を記録した後、急落しました。週初めに85.85ドル近辺まで急騰しましたが、その後数時間で約15ドル下落し、70ドル台前半まで下げる場面がありました。水曜日には1日で6%以上の下落となりました。金と銀は2025年に1979年以来最大の年間上昇率を記録しました。金は年間約63%上昇し、銀は約140%上昇しました。アナリストは、銀の2026年の目標価格として100ドルを予測しています。
中国の銀市場では極端な動きが見られました。中国唯一の純粋な銀ファンドであるUBS SDIC銀先物ファンドは1日の上限である10%の下落を記録し、ファンドマネージャーは「持続不可能な」上昇について警告を発しました。上海で取引される銀先物は年間約128%上昇しており、同ファンドは年間約220%上昇しました。銀の現物プレミアムは、太陽光パネル、電気自動車、AIデータセンター、電子機器からの産業需要が旺盛な一方で在庫が減少しているため、極端な水準に達しています。銀の在庫は過去最低水準にあり、供給不足のリスクが高まっています。
プラチナとパラジウムは年末年始の下落から大幅に回復しました。12月30日にはプラチナが12%以上、パラジウムが10%以上下落しましたが、その後急速に値を戻しています。UBSはプラチナの価格見通しを1オンスあたり300ドル引き上げ、パラジウムも100ドル引き上げました。プラチナ需要については、欧州委員会が2035年の内燃機関車販売禁止を緩和する方針を示したことが追い風となっています。電気自動車の普及が当初の想定より遅れているため、触媒としてのプラチナ需要が長期間にわたって堅調に推移するとの見方が強まっています。
週末の3日土曜日には、米国によるベネズエラへの軍事行動とマドゥロ大統領拘束のニュースが伝わりました。この地政学的リスクの高まりは、週明けの貴金属価格を押し上げる要因となっています。
金銀パラジウム合金の歯科金属をお持ちの方にとっては、年末の下落を経ても依然として歴史的に高い水準が維持されています。売却を検討される場合、現在の価格水準は引き続き好機と言えるでしょう。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






