貴金属市況:12日のNY市場、金・銀は史上最高値を更新、プラチナ・パラジウムは下落
金:4588.50ドル(+16.51)<+0.36%>
銀:84.02ドル(+7.79)<+10.21%>
プラチナ:2323.50ドル(-25.38)<-1.08%>
パラジウム:1849.25ドル(-35.52)<-1.89%>
12日のNY貴金属市場では、金・銀は大幅上昇、プラチナ・パラジウムは下落しました。
NY金先物中心限月2月限は前営業日比113.8ドル高の4614.7ドルで取引を終え、取引時間中には4629.94ドルの史上最高値を記録しました。米司法省が連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長に対し、FRB本部の改修工事に関する疑惑で召喚状を発行したとの報道を受け、FRBの独立性に対する懸念が高まり、安全資産への資金移動が加速しました。パウエル議長は日曜日の声明で、捜査を受けていることを認め、政府の調査を「直接的な政治的圧力」と批判しました。トランプ大統領は司法省の行動を知らなかったと主張しつつ、FRBの金利は「高すぎる」と述べました。
地政学的緊張も高まっています。米国とイランの関係が悪化しており、イランで反政府デモへの弾圧により数百人が死亡したとの報道を受け、トランプ大統領は「レッドライン」に近づいていると警告し、抗議者への支持を表明しました。イラン当局は外国の干渉を拒否し、軍事攻撃があれば米国とイスラエルの利益を標的にすると警告しています。先のベネズエラでの軍事作戦に続く米国の強硬姿勢が、地政学的不安定性への懸念を強めています。
銀は12日、5%超上昇し、84.62ドルの史上最高値を記録しました。取引時間中には86.22ドルまで上昇する場面もありました。UBSは銀の見通しを引き上げ、3ヶ月の目標価格を85ドル(金は5000ドル)に設定しました。同社は、金銀比率が1970年代〜1980年代のように30〜50まで低下する可能性があり、銀価格が「3桁に達する可能性がある」と指摘しています。2025年の銀市場の供給不足は約3億オンスと推定され、2026年も同程度の不足が続く見込みです。
中国の銀輸出規制が市場に影響を与えています。1月1日から施行された新規制では、年間80トン以上の生産能力と3000万ドル超の信用枠を持つ大規模な国有認可企業のみが輸出可能となり、多くの中小輸出業者が市場から締め出されています。中国は世界の精製銀供給の60〜70%を支配しており、「銀の門番」とも呼ばれる存在です。過去1年間、中国は月平均1380万オンスを輸出し、830万オンスを輸入していましたが、直近では純輸出が月930万オンスに増加しており、世界の月間供給量約8800万オンスに対して大きな影響を持っています。アナリストは、これは希土類金属で成功した戦略の再現であり、「中国は銀を武器化した」と指摘しています。
円建て金価格も史上最高値を大幅に更新し、23525円を記録しました。円安の進行と金価格の上昇が重なった結果です。
プラチナとパラジウムは12日、利益確定売りに押されて下落しましたが、パラジウムは年初来約8%上昇と堅調に推移しています。
金銀パラジウム合金の歯科金属をお持ちの方にとっては、金・銀ともに史上最高値を更新しており、売却の好機が続いています。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






