貴金属市況:11日のNY市場において、金・銀・プラチナ・パラジウムがそろって上昇
金:5069.65ドル(+12.97)<+0.26%>
銀:83.31ドル(+1.50)<+1.83%>
プラチナ:2129.40ドル(+6.43)<+0.30%>
パラジウム:1704.50ドル(+47.05)<+2.84%>
11日のNY貴金属市場では、金・銀・プラチナ・パラジウムがそろって上昇しました。
11日のNY金先物中心限月4月限は前営業日比67.5ドル高の5098.5ドルで引けました。米労働省が同日発表した延期されていた1月の雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比13万人増と市場予想の7万人増を大幅に上回り、13カ月ぶりの大幅な伸びとなりました。雇用市場の強さから米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げが遠のくとの見方が広がり、金は一時5018ドルまで売られました。しかし、トランプ大統領がイスラエルのネタニヤフ首相とのイラン核問題を巡る協議で意見が一致しなかったと明らかにしたことで地政学的リスクが意識され、押し目買いが優勢となりました。
ゴールドマン・サックスは、中央銀行の金購入に加え、各国政府が金以外の商品についても「保険」としての備蓄を進めていると指摘しました。2020年のサプライチェーン混乱や2022年の食料・エネルギー危機を経て、各国が関税や輸出規制、国内生産支援、政府備蓄の積み増しに動いており、市場がより地域ごとに分断される傾向が価格変動を高めているとの分析です。世界最大の金ETF「SPDRゴールド・シェア」の現物保有量は11日時点で1081.32トンと、2024年12月末から208.8トン増加しています。
ドイツの貴金属大手ヘレウスは、金と銀が「高リスク時代」に入ったとする最新レポートを発表しました。投機的な取引やレバレッジの増大、証拠金引き上げなどにより従来の安全資産とは異なる価格変動を見せており、工業用と投資用の二面性を持つ銀はとりわけ変動が大きいと指摘しています。
銀市場では2026年も6年連続の供給不足が見込まれています。予想される不足量は約6700万オンスで、鉱山生産量は1%増の8億2000万オンスにとどまる一方、太陽光パネルやAIデータセンター向けの産業需要が引き続き旺盛です。現物投資需要は前年比20%増の2億2700万オンスと3年ぶりの高水準が見込まれています。
プラチナ族金属(PGM)については、大手鉱山会社ヴァルテラ・プラチナのCEOが電気自動車(EV)の普及が想定より遅れていることからPGMの供給不足は今後数年続くとの見方を示しました。欧州連合(EU)が2035年のガソリン・ディーゼル車販売禁止を緩和したことも、触媒コンバーターに使われるプラチナとパラジウムの需要を下支えしています。
歯科金属に使われる金銀パラジウム合金をお持ちの方は、金価格が5000ドル台で堅調に推移しているうちに売却を検討されるのもよいかもしれません。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






