貴金属市況:12日のNY市場において、金・銀・プラチナ・パラジウムがそろって急落
金:4913.44ドル(-150.65)<-2.98%>
銀:74.93ドル(-9.15)<-10.88%>
プラチナ:2012.50ドル(-102.92)<-4.87%>
パラジウム:1631.91ドル(-9.09)<-0.55%>
12日のNY貴金属市場では、金・銀・プラチナ・パラジウムがそろって急落しました。
12日のNY金先物中心限月4月限は前営業日比150.1ドル安の4948.4ドルで引けました。アジア時間の早朝に株式、暗号資産、貴金属、非鉄金属が一斉に売られ、米国債が買われる(長期金利が低下する)という全面的な急落が発生しました。銀は30分間で83ドルから75ドルまで約10%の急落を記録し、金も5000ドルを大きく割り込みました。プラチナは一時2000ドルを下回り、1994ドル付近まで下落しています。
この急落の背景には複数の要因が指摘されています。ブルームバーグが報じたロシアの内部文書によると、ロシアはトランプ政権との幅広い経済連携の一環として、ドル建て決済の再開を検討しているとのことです。これはウクライナ侵攻後に進めてきた脱ドル化路線を大きく転換する可能性のある動きで、実現すれば金のような非ドル資産への逃避需要を減退させる要因となります。化石燃料や天然ガス、重要鉱物資源での米ロ共同投資なども提案に含まれているとされています。
また、トルコのフィダン外相がフィナンシャル・タイムズのインタビューで、米国とイランが核合意に向けて柔軟な姿勢を示しており、米国側には一定のウラン濃縮を容認する「意思」があると語りました。これを受け、イラン情勢を巡る地政学的リスクの後退から金の売りが加速しました。ネタニヤフ首相もトランプ大統領がイランとの合意を選好していることを認めています。
前日に発表された1月の雇用統計で非農業部門雇用者数が13万人増と市場予想を大きく上回ったことも、FRBの利下げ観測後退を通じて引き続き売り材料となっています。新規失業保険申請件数も前週比5000件減の22万7000件と堅調でした。
世界最大の金ETF「SPDRゴールド・シェア」の現物保有量は12日時点で前日比5.14トン減の1076.18トンとなりました。
原油も3.5%安の63ドル割れとなるなど、地政学的リスクプレミアムの剥落が商品市場全体に波及しています。
※記事はNY時間の米ドル価格での変動です。日本円の取引価格では時差と為替の変動が加味されます。






